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» 2016年06月13日 18時30分 UPDATE

CADニュース:シーメンスPLM、コンバージェンスモデリングなどの予定新機能を紹介

シーメンスPLMソフトウェアは2016年6月9日に記者説明会を開催し、米国責任者がNXにおいて今後力を入れる方向や最新機能の詳細について語った。

[加藤まどみ,MONOist]

 シーメンスPLMソフトウェアは2016年6月9日、ユーザー向けイベント「Siemens PLM Connection Japan 2016」を開催した。同日に記者説明会を開き、イベントに合わせて来日したシーメンスPLMソフトウェア NX製品管理・マーケティング・製品定義・ビジネス開発担当バイスプレジデントのロバート・ハブロック氏および製品エンジニアリング・マーケティング担当 シニア・マーケティングコーディネーターのポール・ビヴァン氏が、NXの戦略や最新搭載予定機能などについて語った。

従来分野を強化する方向で

 ハブロック氏は最新版がバージョン10となっているNXの開発の方向性について、「新しい産業へと展開するよりは、既にシェアを持っている産業分野において、モノづくりを革新させていく方針」だと語った。そのため「企業がより迅速に、よりよい方法で、よりカスタマイズした製品を作ることができるような方向に持っていく」(ハブロック氏)という。

シーメンスPLMソフトウェア NX製品管理・マーケティング・製品定義・ビジネス開発担当バイスプレジデントのロバート・ハブロック氏

 またハブロック氏は、顧客が持つデータは常にサポートしていくと語った。「過去のNXで作られたデータを放棄することはない。継続的にNXを進化させていく一方で、過去のデータに対しても、最新の技術をもって、いつでも開くことができるよう対応していく。これは過去30年のデータに対しても、この先30年のデータに対しても同じだ。なぜかというと、今使えるようなよいアイデアも、例えば10年前に登場しているかもしれないからだ」(ハブロック氏)。

異なるデータ形式を同時に表示・編集可能

 ハブロック氏らは、発売予定の次期バージョン「NX11」に搭載される予定の「コンバージェントモデリング」を紹介した。この機能は、従来のモデリング方法で作られたさまざまな形状データやスキャンデータを同時に表示し、また編集できる機能になる。

「コンバージェントモデリング」では異なる形式のデータを同時に表示、編集できる

 この機能は、NXの戦略にもある「製品のカスタマイズ化」へより対応しやすくなるものだ。例えば将来、個人の好みに応じた自動車のカスタマイズが進むと考えられる。それに応じて工場にも柔軟性が求められるようになる。点群データの工場の中に、既に作っておいた組み立てロボットのモデリングデータなどをはめ込むことで、バーチャル上でレイアウトや機器の干渉を検証することが可能だ。

工場の点群データ上にあらかじめ作っておいたCADモデルを設置したところ。

 「点群参照は、現実の世界とデジタルの世界をつなげる最も手っ取り早い方法だ。工場のスキャンデータを作ることは、3次元の写真を撮影するようなもの。数百万の画素を使って表現するので、正確なデジタルデータを作成することができる。コンバージェントモデリングを使うことで、新モデルの製品を生産しようとする場合、数カ月掛かっていた工場の停止時間が数日で済むようになる」(ハブロック氏)。

 従来はCADの各種データやポリゴンデータ、スキャンデータなどは、それぞれ対応したソフトウェア上でしか扱えず、他のソフトウェア上に取り込むためには変換作業が必要だった。今回の技術ではそれらが変換なしに統合して扱えるようになるとともに、変換に伴うデータの不具合の心配もなくなるということだ。

(左)トポロジー最適化した部品を組み込んだ様子、(右)トポロジー最適化前と後の部品。1つの製品の中で最適化を行っている。このパーツの中に、パラソリッドとファセットのジオメトリが入っているという。

CADを使わない人ともコラボレーションを

 2016年5月16日にシーメンスPLMソフトウェアが発表した、スマホやタブレット端末で使えるアプリ「Catchbook」についても紹介した。これはAndroid、iOS、Windows OS向けの2次元ドローイングアプリだ。基本機能は無償で、フル機能版でも数百円となる。同社にとって初めての個人ユーザー向けアプリになるという。CADの知識がなくても直感的に操作でき、手描きスケッチを数学的な曲線に変換できる。ほぼ無償のCatchbookをリリースした狙いについては、「あらゆる人にアイデアの創出に参加してほしい」(ハブロック氏)との考えによるという。

 スケッチやトレース図を正確な2次元の図面に変換できるという。「誰でもいつでもアイデアを取り込んで、それを土台として設計作業を進められる。例えば夜中に思い付いたアイデアも、すぐ書き留められる」(ハブロック氏)。データは各種CADで読める形式に変換できる。

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