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» 2016年06月15日 08時00分 UPDATE

医療機器ニュース:超薄板ガラスを用いた、厚さ12μmのガラス流体チップを開発

理化学研究所は、超薄板ガラスを用いた柔軟な次世代型流体チップの作製技術を開発した。厚さ4μmの超薄板ガラス3枚を熱で接合し、厚さ12μmの柔軟なガラス流体チップを作製した。

[MONOist]

 理化学研究所は2016年5月26日、同研究所生命システム研究センターの田中陽ユニットリーダーらの研究チームが、超薄板ガラスを用いた柔軟な次世代型流体チップの作製技術を開発したと発表した。

 個別化医療、生命科学研究、エネルギーデバイスなどの分野では、小型・軽量で高効率な高速反応を可能とするデバイスとして、流体チップが注目されている。現在、その材料には樹脂が使われているが、光の透過率や耐圧性が低く、厚みや柔軟性に欠けるなどの課題があった。

 今回、同研究チームは、近年開発・市販されている厚さ4μmの超薄板ガラスに着目。このガラスは、軽量なフィルム状でよく曲がるが、従来の技術では加工ができないという課題があった。研究チームでは、極めて短いパルスで微小エネルギーを発し、ガラスを少しずつ削る超短パルスレーザー技術を用いて、超薄板ガラスに高精度で溝構造を彫ることに成功した。

 また、厚さ4μmの超薄板ガラス3枚を用意し、1枚目に流体の入り口と出口として直径1mmの穴を、2枚目に幅10μmの流路を加工した。その後、1枚目、2枚目、3枚目の順に熱で接合し、厚さ12μmの柔軟なガラス流体チップを作製した。

 研究チームでは、チップの断面を電子顕微鏡で観察し、設計通りの流体チップであること、流体が入り口から出口まで移動し、流体チップとして機能することを確認。さらに、曲げ実験とねじり実験により、長さ方向での最小曲げ半径は2mm、幅方向での最小曲げ半径は3mm、ねじり上限は約40度と測定した。

 今後は、高倍率レンズを用いた微小な細胞/細菌、バクテリアの高倍率観察や、ガラスウェアラブルデバイス、従来の1/20の薄さの薬物送達デバイスなどの応用も期待できるとしている。

photo 超薄型ガラス流体チップとその構造
photo 超薄型フレキシブルなガラス流体チップの機能確認実験
photo 超薄型フレキシブルなガラス流体チップの柔軟さの評価
photo 同技術の応用例

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