特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜

政府主導の第4次産業革命団体、国際連携により発信力強化へスマートファクトリー(3/4 ページ)

» 2016年06月17日 06時00分 公開
[三島一孝MONOist]

中小企業の悩みを解決

 中堅・中小企業サブ幹事会は、IoTや「つながる工場」の実現に対し、単独では対応が難しい中堅・中小企業などの支援や相互協力などを推進するサブ幹事会である。2015年度は、経営課題と解決手段を整理できるフローチャートを作成した。さらに、事例集の策定や、「スマートものづくり応援隊」など中小企業の支援を行うIoTコンサルタントの育成などに取り組む。またツールの開発などにも取り組んでいく。その他、地方の取り組みを中央から支援する仕組みや情報管理集約機能などの整備も進める。

photo 中堅・中小企業サブ幹事会による、中小企業のIoTへの取り組みの課題とボトルネック、対策の整理(クリックで拡大)出典:ロボット革命イニシアティブ協議会

5つのサブWG活動

 2016年度から活動を本格化させるサブWG活動は、具体的な問題解決を目標とした取り組みを進める。サブWGは、以下の5つとなる。

  • 現場情報の見える化と標準化サブWG(リーダー企業:アマダエンジニアリング):生産工程の「見える化」による生産性向上のため、機械や装置から吸い上げるべき情報の洗い出しと標準化を目指す
  • 食品製造業関連サブWG(同:イシダ):中小企業性の高い食品製造業において、IoTの活用を通じて安心安全の確保および人手不足の解消を目指す
  • IT−FA連携システム導入・構築 プロセス標準の整備サブWG(同:日本フォーサイトロボ、ミツイワ):中小製造業・三品産業(食品、薬品、化粧品)向けのロボット導入に加え、ロボットなどの生産現場の機器を基幹システムとつなぐ全体統合システムインテグレーションを促進する
  • 我が国製造業の強みの維持・強化サブWG(同:三菱総合研究所):「人」「技術力」「現場力」「改善力」「規律」など製造業の強みが、IoT時代においても有効・有用であるかを再検証し、それを踏まえたIoT活用による競争力強化方策や協調領域の検討を行う
  • ITシステムとFA現場の融合を目指した情報連携サブWG(同:三菱電機):垂直・水平連携されたシステムへの要求に応えるため、マルチベンダーで構成されるシステムを構築しやすくすることを目的に、協調領域構築のための課題の検討および要求機能のまとめを議論する

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