「Creo 4.0」は3Dプリンタ対応を強化、内部格子形状の構造最適化機能を搭載LIVEWORX 2016

PTCは、年次ユーザーカンファレンス「LIVEWORX 2016」において、3D CADツール「Creo」の次期バージョン「Creo 4.0」で構造最適化機能を搭載する方針を示した。設計データから3Dプリンタで直接出力する需要に対応した機能になる。

» 2016年06月28日 09時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 PTCは、年次ユーザーカンファレンス「LIVEWORX 2016」(2016年6月6〜9日、米国マサチューセッツ州ボストン)において、3D CADツール「Creo」の次期バージョン「Creo 4.0」で構造最適化機能を搭載する方針を示した。設計データから3Dプリンタで直接出力する需要に対応した機能になる。

 これまで3D CADで製品を設計する場合、切削加工や金型による射出成型で生産することが前提になっていた。しかし現在は3Dプリンタの性能が向上しており、試作だけでなく最終製品にも組み込まれる事例が出てきている。いわゆるDDM(Direct Digital Manufacturing)である。

 3Dプリンタで出力する場合、一般的な切削加工や射出成型では難しい、構造的な強度を高められる格子形状を内部に導入することがメリットになる。Creo 4.0の構造最適化機能は、格子形状を自動で導入した上で、必要とされる構造的な強度を満足しながらさらなる軽量化を実現できるように解析と形状の最適化を行える。

 LIVEWORX 2016の講演では、サイドミラーのハウジングの事例を示した。切削加工や射出成型を前提とした当初の設計のままだと重量が544gになるが、3Dプリンタ出力を前提に内部に格子形状を導入し、構造最適化機能を適用したところ338gまで軽量化できたという。

切削加工や射出成型を前提とした当初の設計(左)と3Dプリンタ出力を前提にした設計(右)の重量の比較 切削加工や射出成型を前提とした当初の設計(左)と3Dプリンタ出力を前提にした設計(右)の重量の比較(クリックで拡大)

(取材協力:PTCジャパン)

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