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» 2016年07月06日 10時00分 UPDATE

寸法を実感する! 測定講座(5):主人公なのに影が薄い位置度と、とにかくキョーレツな輪郭度 (1/4)

幾何公差や寸法測定の課題に対する幾つかの取り組みを紹介していく本連載。第5回は位置までを規制する「位置公差」について説明する。

[木下悟志/プラーナー,MONOist]

 前回はデータムに関連する幾何公差の姿勢公差について説明しました。測定上の基準であるデータムを明確にすることで、設計者にとっても製造者にとっても互いにメリットがあることを理解いただけたと思います。

 しかし、お気付きだと思いますが、姿勢公差ではあくまで平行、直角、傾斜といった姿勢の度合いを規制しただけで、肝心な位置まで規制していません。今回から、いよいよ位置までを規制する「位置公差」と「振れ公差」を取り上げていきます。

図1:幾何公差の分類と記号(JIS B 0021を基に編集)

 位置公差と振れ公差は図1の表でも最後に位置するのですが、「幾何公差の最終兵器」とも言うべきものです。設計者の立場では、例えば位置公差で厳しめに公差規制してしまえば、今まで取り上げてきた各種公差を使うまでもなく、明確に所望の精度が得られます。しかしながら、厳しい公差はそのまま製造者に対してさまざまな苦労を強いることになり、結果的にそれはリードタイムが長くなる、不良率が上がる、などの要因となり、結果的にコストアップにつながるわけですから、幾何公差の効果を最大化するためには、後ほど紹介するように複数の幾何公差を重ねて使うことが有効です。

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