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» 2016年07月14日 07時00分 UPDATE

「Windows 10 IoT Core」の現状とラズパイ3へのインストール (1/3)

「Windows Embedded」から「Windows 10 IoT」へと刷新されたマイクロソフトの組み込みOS。プレビュー版の提供開始から1年近くが経過し、ようやくその全貌が見えてきた。連載ではWindows 10 IoTの「今」をエンドデバイスとともに確認していく。

[阿久津良和,MONOist]

Windows 10 IoTの存在と現状

 モノづくりの現場では、組み込み系Windows OSとしてWindows Embeddedシリーズを使ってきた方も少なくない。なかにはWindows CE時代をご存じの方もおられるだろう。だが、Microsoftの「One Windows」ビジョンに伴い、組み込み系OSは「Windows 10 IoT」という名称に変更された。

 他のWindowsファミリーと同じくWindows 10 IoTも用途によって異なるエディションで構成され、最上位にあたる「Windows 10 IoT Enterprise」はWin32デスクトップアプリまでサポートする。

Windows 10 IoTのエディション構成 Windows 10 IoTのエディション構成

 本連載のターゲットとなるのは、シェル(エクスプローラー)を備えず、IoTゲートウェイやスマートホーム向けコントローラーなどの用途に適する「Windows 10 IoT Core」だ。まずは現状について説明したい。

「Windows 10」との速度差

 ちまたでは今夏リリース予定の、Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)に伴う大型アップデートが注目を集めているが、執筆時点(2016年7月上旬)のWindows 10 IoT Coreは「バージョン1511」と「Insider Preview」が選択可能だ。

 PC版およびモバイル版のWindows 10 Insider Previewは急速にビルドアップを繰り返しているが、Windows 10 IoT Coreはそこまで急なビルドアップは行われていない。恐らくカーネルなどのコアコンポーネントや、I/O周りの変更時に更新しているのだろう。推測の域を超えないが、Windows 10 バージョン1607リリース時は、Windows 10 IoT Coreも更新されるはずだ。

執筆時点のWindows 10 IoT Core Insider Previewはビルド14342とビルド14328が選択できる 執筆時点のWindows 10 IoT Core Insider Previewはビルド14342とビルド14328が選択できる

Raspberry Pi3に「最新」のWindows 10 IoT Inside Previewをインストール

 さて、今回はRaspberry Pi 3に「Windows 10 IoT Insider Preview」をインストールする(バージョン1511ではない理由は後述)。まずはハードウェア面だが、意外と準備するものが多いので、あらかじめ手持ちのパーツをかき集めるか、ECサイトなどで購入しておこう。Raspberry Pi 3を稼働させるには、以下のデバイスが最低限必要となる。

Raspberry Pi 3でWindows 10 IoTを動かすための必要パーツ

  • Windows 10 IoTを展開するためのPC(Windows)
  • Raspberry Pi 3本体(今回はModel Bを使用)
  • 8GB以上のMicro SDカード
  • 5V 1A以上を供給するUSB電源ポート(2A以上が好ましい)とUSBケーブル
  • HDMIケーブルと対応するディスプレイ
  • LANケーブル(ビルド14342からは不要)

 さらにWindows 10 IoT Coreを展開するためのMicro SDカードリーダー/ライターや、Windows 10 IoTの基本的なセットアップを行うために、USB接続のキーボード&マウスも必要だ。

必要ではないがRaspberry Pi 3用ケースなどもあると扱いやすくなる 必要ではないがRaspberry Pi 3用ケースなどもあると扱いやすくなる
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