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» 2016年08月05日 12時00分 UPDATE

電気自動車:三角翼型EV「ブレードグライダー」ついに走る、エタノールが燃料のFCVもお披露目

日産自動車は、ブラジルのリオデジャネイロ市で、三角翼型の電動スポーツカー「ニッサン ブレードグライダー」と、エタノールから取り出した水素で発電する燃料電池車「e−Bio Fuel−Cell」の試作車両を披露した。リオデジャネイロオリンピックでにぎわう同市でインテリジェントモビリティ戦略をアピールする。

[齊藤由希,MONOist]

 日産自動車は2016年8月4日(現地時間)、ブラジルのリオデジャネイロ市で、三角翼型の電動スポーツカー「ニッサン ブレードグライダー」と、エタノールから取り出した水素で発電する燃料電池車「e−Bio Fuel−Cell」の試作車両を披露した。リオデジャネイロオリンピックでにぎわう同市でインテリジェントモビリティ戦略をアピールする。

e−Bio Fuel−Cellブレードグライダー ブラジルで披露した「e−Bio Fuel−Cell」(左)と「ブレードグライダー」(右)の試作車両 (クリックして拡大) 出典:日産自動車

走行可能なブレードグライダーがお目見え

 ブレードグライダーは、2013年の東京モーターショーにおいてコンセプトモデルとして披露した3人乗りの電気自動車だ。航空力学に着目して三角翼航空機のような形状を採用している。路面に吸いつくようなダウンフォースが得られ、同時に空気抵抗も軽減する形状により、滑空するように走行することを目指している。

ブレードグライダーのフロントフェイスブレードグライダーのドアを開けた状態ブレードグライダーのリアクォータービュー 「ブレードグライダー」のフロントフェイス(左)、ドアを開けた状態(中央)、リアクォータービュー(右) (クリックして拡大) 出典:日産自動車

 運転席は車体中央に、後部座席は運転席の左右後方に設けており、運転席は足元の空間が広く取られている。シートベルトは全席で4点式だ。ブレードグライダー向けに専用設計したステアリングコントローラーには、バッテリー残量や速度、回生モード、トルクマップなどを表示するディスプレイを搭載した。

12 ブレードグライダーの車内 (クリックして拡大) 出典:日産自動車

 サイドミラーの代わりにフロントホイール後方にカメラを装着しており、車内のスクリーンで車両の後側方の様子を映像で見られるようにしている。ドアミラーを廃することにより、空力性能を高めている。また、ロールオーバープロテクション構造を採用することにより、オープンカーとしての安全性を確保している。

ミラーレス化で空力性能の向上を図っている ミラーレス化で空力性能の向上を図っている (クリックして拡大) 出典:日産自動車

 今回披露したのは、コンセプトモデルを基に実際に走行できるようにした車両だ。バッテリーとモーターは、日産自動車が技術提携しているWilliams Advanced Engineeringが開発した。最高速度は時速190kmで、時速0〜100kmの加速は5秒以下。最大出力は200kW、最大トルクは707Nmだ。

 後輪は出力130kWのインホイールモーターで駆動する。車輪に伝わるトルクをコントロールするシステムを搭載し、運動性能も向上する。「off」「agile」「drift」といった3つの走行モードを選択できる。

 バッテリーはリチウムイオン電池。バッテリーとモーターの冷却システムは専用開発だ。車両の外形寸法は全長4300×全幅1850×全高1300mmで、ホイールベースは2800mmとなっている。

 車両はオリンピックパーク内に常設展示する他、メディアやVIPの試乗用に貸し出す。

e−Bio Fuel−Cellはe-NV200ベースで

 日産自動車は、圧縮水素を用いて発電する燃料電池車に加えて、バイオエタノールから水素を取り出して発電する固体酸化物型燃料電池の研究開発を進めている。

 ブラジルはバイオエタノールの生産地域で、車両にエタノールを補給する給油所も整備されている。e−Bio Fuel−Cellの車両が利用しやすい環境が既に整っている状況だ。水素は生産や水素ステーションなど供給インフラに多額の投資が必要になるが、バイオエタノールを燃料とすれば、燃料電池車の普及が進みやすい。

バイオエタノールのスタンド5 ブラジルはバイオエタノールの供給インフラが既に整っているので、固体酸化物型燃料電池車に有利な市場(左)。発電の様子(右) (クリックして拡大) 出典:日産自動車

 試作車両は電気自動車「e-NV200」をベースとしている。固体酸化物型燃料電池の出力は5kWで、容量24kWhのバッテリーに蓄電しながら走行する。タンク容量は30l(リットル)で、走行距離は600km以上となる。試作車両を用いてブラジル国内の一般道でフィールドテストを行い、e−Bio Fuel−Cellの開発を加速させる。

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