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» 2016年08月25日 09時00分 UPDATE

製造IT導入事例:大地震の際の建物の揺れ方を予測するシステムを無償で提供

SAPジャパンは白山工業と協力して、スマートフォンを利用した震度計により軽微な地震のデータを収集・解析し、大地震の際の建物の揺れ方を予測するシステム「my震度」を開発した。企業や自治体、研究機関、一般消費者に無償提供し広く普及を図る。

[MONOist]

 SAPジャパンは2016年7月27日、白山工業と協力して、スマートフォンアプリを使った簡易な震度計により、日常的に起きている軽微な地震の揺れから大地震の際の建物の揺れ方を把握・予測するシステム「my震度」を開発し、無償で提供すると発表した。

 世界有数の地震国である日本では、国の研究機関が地震観測網を構築しているが、従来の地震計が計測しているのは「地面の揺れ」であり、多くの人的・経済的損失を発生させている「建物の揺れ(による倒壊)」については、地震計が高価であることもあり、これまで計測するという発想がなかったという。

 地震計のトップベンダーである白山工業では、スマートフォンに内蔵されている加速度センサーを利用して簡易な震度計を安価に作る基本技術を既に確立していた。そこでSAPジャパンは白山工業とともに、my震度のシステムを共同で構築し、顧客企業やパートナー企業、地方自治体、研究機関や大学などとも協力して、広く普及を図ることにした。

 my震度のシステムは「my震度アプリ」をインストールしたiPhoneなどの端末を建物の壁に固定して「スマホ震度計」として活用。軽微な地震が発生すると、震度などのデータをネットワーク経由で「my震度サーバ」に収集・蓄積し、地図上にマッピングして一覧表示する。my震度サーバは、クラウド上のインメモリプラットフォームSAP HANA Cloud Platform上に構築され、蓄積されたデータは高速かつリアルタイムに分析・処理される。

 同システムの活用により、スマホ地震計を設置した建物の住人や所有者は、軽微な地震の際の揺れ方や、近隣の建物との揺れの違いを見ることができ、そこから大地震の際の揺れの予測や備えが可能になる。また地方自治体や研究機関は、より詳細な学術研究や防災計画・都市行政を立案することができる。将来的には、収集したビッグデータを分析することで、大地震の際の倒壊可能性の予測や全壊・半壊の判定支援などにも応用できる見込みだという。

 2016年10月以降は一般消費者にも同システムを提供し、まず国内では3年間でスマホ震度計1万台のネットワークを構築することを目指す。さらに対象範囲をアジアや世界に広げて、日本の耐震・防災技術のグローバル展開を支援していくとしている。

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