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» 2016年09月06日 06時00分 UPDATE

自動運転技術:スズキとソフトバンクが自動運転を共同開発、自動車とITそれぞれの思惑 (1/2)

スズキとソフトバンク子会社のSBドライブは、自動運転技術を活用したスマートモビリティサービスの事業化で連携する。SBドライブが自動車メーカーと連携協定を結ぶのは初めて。浜松市、鉄道やバスを運行する遠州鉄道とも協力する。

[齊藤由希,MONOist]

 スズキとソフトバンク子会社のSBドライブは2016年9月5日、静岡県浜松市内で会見を開き、自動運転技術を活用したスマートモビリティサービスの事業化で連携すると発表した。SBドライブが自動車メーカーと連携協定を結ぶのは初めて。浜松市、鉄道やバスを運行する遠州鉄道とも協力する。

 浜松市内でサービスを展開するスケジュールや開発の詳細は今後協議していく段階だが、3社と浜松市は「都市部も山間部もあり国土縮図型といえる浜松市では、自動運転のあらゆる実証実験ができるだろう」と見込んでいる。

浜松市と3社で連携協定を結んだ。写真左からスズキの鈴木俊宏氏、浜松市 市長の鈴木康友氏、SBドライブの佐治友基氏、遠州鉄道 代表取締役社長の斉藤薫氏 浜松市と3社で連携協定を結んだ。写真左からスズキの鈴木俊宏氏、浜松市 市長の鈴木康友氏、SBドライブの佐治友基氏、遠州鉄道 代表取締役社長の斉藤薫氏

地域に密着して自動運転を実用化する

SBドライブが目指す自動運転とは SBドライブが目指す自動運転とは

 SBドライブは2016年4月に設立した企業で、個人が所有する乗用車の自動運転化ではなく、決められたルートを走行する公共性の高い”バス型”の自動運転車の開発と自動運転サービスの実用化を目指している。従来の交通網では採算が取れないエリアで無人運転車を運行させることで、地域の活性化を図る。

 SBドライブとしては、2018年後半に公道の決められたルートで走行試験を実施し、2019年以降に交通事業者の運営によって自動運転サービスの利便性と安全性を検証する計画だ。その後2021年以降の実用化を目指している。

 自動運転で地域を支えるサービスを設計するため自治体の協力を得ながら自動運転の需要の検証に着手しており、福岡県北九州市、鳥取県八頭町、長野県白馬村と連携協定を結んだ。静岡県浜松市は、SBドライブが協定を結ぶ4カ所目の自治体となる。

 自治体と協力しながら地域密着型で自動運転サービスの実用化に取り組むのは、「自動運転車は、米国で走れるものを日本にそのまま持ってくることはできない。道路や交通のルール、受け入れられ方も違う。高齢化や過疎化が進み、従来の交通網が維持できなくなるという課題もある。世界のプレーヤーとの競争は念頭に置いているが、あくまで日本のためにどんな自動運転が必要かを重視している」(SBドライブ 代表取締役社長の佐治友基氏)という考えに基づいている。

SBドライブの協定に自動車メーカーが初めて参加

 今回初めて、SBドライブの連携協定に自動車メーカーが参画する。SBドライブが浜松市に自動運転サービスの事業化に向けた取り組みをを打診し、浜松市がスズキと、遠州鉄道を引き入れた。浜松市 市長の鈴木康友氏は「浜松市は輸送用機器を始めとするモノづくりで発展してきた。市の将来を考えると、自動運転など次世代の輸送用機器の在り方を考えることは今後の成長の要になる」と述べた。

 佐治氏は、「自動運転を高級車の付加価値にするのではなく、どんな人にも使いやすく必需品となる機能として普及させたいと思っている。生活と共にあるクルマを作ろうとするスズキと一緒にやりたかった。そして、自動運転車の運行を安全に管理するには、遠州鉄道の力が必要だった。自動運転のスタンダードとなるものを浜松で生み出していきたい」と話す。

 また、自動車メーカーと協定を結ぶことについては、「クルマを作る企業にしか分からない走る/曲がる/止まるの細かいところをについて、教えてもらいながら自動運転の制御に反映していければと期待している。ただし、協力する範囲についてはこれから詰める段階だ」(佐治氏)と考えている。

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