プロトラブズの日本法人、2色成形やステンレス加工、3Dプリンティングのサービスを新たに開始3Dプリンタニュース(1/2 ページ)

試作・小ロット部品製作を専門とするプロトラブズの日本法人は2016年8月に拡張移転を実施。今後は幾つかの新サービスを開始する。同社は経済不況の中にもかかわらず着々とビジネスを伸ばしてきた。

» 2016年10月17日 10時00分 公開
[小林由美MONOist]

 プロトラブズは2016年10月11日、日本国内における事業拡大に関して記者発表を開催した。同社は米国に本社を置く、試作・小ロット部品製作を専門とする企業で、Web上での自動見積もりおよび発注サービスを展開する。同社日本法人では拡張移転を実施し、今後は幾つかの新サービスを開始する。

 同社日本法人は2012〜2016年まで神奈川県大和市を拠点としていたが、2016年8月に神奈川県座間市へ移転。敷地面積は従来の3000m2から9000m2と約3倍拡大した。総従業員数は83人。2009年、日本法人の操業開始時は10人ほどだった。なお、工場内で部品製作に直接あたる人員は自動化を徹底することで少なくし、ソフトウェアのオペレーション(デジタルデータ準備・処理)などに割いているという。

プロトラブズ(日本法人) 社長 トーマス・パン氏

 新拠点には、CNCマシニングセンタを32台(旧拠点の所有数に+8台)、CNC旋盤が3台(旧拠点の所有数に+1台)、射出成型機11台(55〜350t)を備える。2016年12月末を想定する製造能力は、射出成形が年産1500型以上(従来比で50%増)、切削加工が年産4万5000点以上(従来比で50%増)を見積もる。なお、顧客数については2016年9月末現在で2200社以上ということだ。2017年以降はISO9001、14001、27000を取得する。

 新サービスとしては、まず2016年10月中を目標に2色成形サービスを提供開始する。軟質・硬質の材料が入り混じった成形品が一体で製作可能となる。同年12月までには、鉄やステンレスの加工に新たに対応する。

 2017年以降には3Dプリンティングのサービスを日本で開始する。同サービスで提供可能な手法は粉末焼結積層(SLS)、光造形(SL)、ダイレクトメタル焼結(DMLS)の3つとなる。同社顧客の3Dプリンティングの利用率が高く、リクエストも多かったことを受け、欧米拠点で先行して提供開始していた。同社は2013年4月にFineLine Prototyping、2015年9月にAlphaformを買収している。また同社は米HPが開発中の3Dプリンタ「HP Jet Fusion 3D Printer」のテスト利用に携わるパートナーの1社でもある。米国拠点で同装置を1台導入する予定があるという。

「日本はアジアのイノベーションハブであり、重要な拠点である。自動車、エレクトロニクスといった製造業界のグローバル企業が本拠を置いている。当社日本拠点への投資は今後も積極的かつ継続的に実施する」(米プロトラブズ CEO ヴィクトリア・M・ホルト氏)。

米プロトラブズ CEO ヴィクトリア・M・ホルト氏
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.