シェフラーは、社内組織全体のデジタル化推進における戦略的パートナーとしてIBMを迎えた。この提携により、シェフラーはメカトロニック部品や機械類をIoTへ組み込んで、IBMから新たなビジネスモデルを導入するためのサポートを受ける。
シェフラーは2016年10月4日、社内組織全体のデジタル化推進における戦略的パートナーとしてIBMを迎えたと発表した。この提携によりシェフラーは、メカトロニック部品、システム、機械類をIoT(モノのインターネット)へ組み込んで、IBMからデジタルサービスを基盤とした新たなビジネスモデルを導入するためのサポートを受ける。
シェフラーはここ数年、多額を投じて、機械や車両の重要な部品である軸受やクラッチリリースシステムに、ソフトウェアを埋め込んだセンサー、アクチュエーター、制御ユニットを内蔵させてきた。現在、これらの内蔵部品から機械の状態に関する貴重なデータを得て、それを付加価値サービスへと変換することが可能になったとしている。両社は提携の最初の成果として、シェフラーの付加価値サービス用のデジタルプラットフォームを2016年10月に立ち上げた。
提携の重点項目としては、以下の事例が挙げられている。
まず、風力タービンの状態に関する情報を、装置だけでなく軸受内のセンサーから稼働中に収集し、部品交換作業などの最適化を目指す。列車監視についても、スマートベアリングが自ら測定した振動、温度、トルク、速度に基づいてアラートを生成し、強化した予知保全システムにより効率性と安全性の向上を図る。自動車部品から得たデータは、リアルタイム分析と認知システムによって有益な知見に転換し、部品の機能や耐用寿命の向上などに利用する。
また、製造およびサプライチェーンの継続的な最適化のため、IBMの認知テクノロジーがシェフラーのインダストリー4.0戦略をサポート。工作機械の総合設備効率(OEE)改善に貢献する。さらに、オペレーションセンターに送信されたビッグデータはシェフラークラウドで処理され、機械に関する予測や不規則事象への迅速な対応に役立てられる。
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