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» 2016年10月24日 11時00分 UPDATE

Zuken Innovation World 2016:図研プリサイトが“めざす先”とは、統合BOMに加え「ナレッジ」も (1/2)

図研のプライベートイベント「Zuken Innovation World 2016」に、2016年4月に分社独立した図研プリサイト社長の上野泰生氏が登壇。「まっ先に、めざす先。」と題し、同社のビジョンを紹介した。

[長町基,MONOist]

 図研は2016年10月13〜14日、横浜市内でプライベートイベント「Zuken Innovation World 2016」を開催した。初日の講演では、図研プリサイト社長の上野泰生氏が登壇。「まっ先に、めざす先。」と題し、同社のビジョンを紹介した。

新会社設立のいきさつとパートナーシップ

図研プリサイトの上野泰生氏 図研プリサイトの上野泰生氏

 図研は、創業以来の中核事業であるエレクトロニクス設計自動化分野にとどまらない新たなソリューションの開発・販売を目的にした「プリサイト事業部」を2010年に発足。コーポレートベンチャーとして、BOMや3Dデータ関連のビジネスを担当した。このプリサイト事業部が、2016年4月に分社化して誕生したのが図研プリサイトである(関連記事:図研プリサイトが営業開始、PLM/CAD導入支援/ナレッジ管理事業を一体分社化)。

 分社化の背景には、

  1. 意思決定のさらなる迅速化
  2. 新たなパートナーとの関係強化
  3. 市場に対応した組織づくり
  4. 次世代経営者の育成

などの目的がある。上野氏は「分社化は非常に価値があるものだった」と評価する。

 図研は、プリサイト事業部を発足させて以降、現在の図研プリサイトがカバーする分野における高い技術を獲得するため、パートナーシップの拡充にも取り組んだ。2010年にはラティス・テクノロジーと資本提携。「ラティス・テクノロジーの3Dデータの軽量化技術『XVL』が、図研の次のソリューションのコア技術になると確信した」(上野氏)ことが理由で、現在もビジネスでの関係を深めている。

 2011年には製造業の設計コンサルティングを行うO2と業務提携。「設計プロセスやデータ整理の分野で一緒に取り組んでいる」(同氏)という。さらに、2014年には、2012年から業務提携していた東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)への出資も決めている。「B-EN-Gの『MCFrame』は生産管理システムのベストセラーだ。このファミリーの1つとして『MCFrame PLM』という製品があるが、同製品には図研プリサイトの『visualBOM』をOEMとしてこの7月から提供している」(上野氏)。

 B-EN-Gとの間では2015年に、設計から製造、販売、サービスにわたるさまざまな情報を、双方向かつタイムリーに流通させるITソリューションの企画・開発目指すジョイントベンチャーのダイバーシンクを設立している(関連記事:設計と製造をつなぎ込め! 図研とB-EN-Gの新合弁会社「ダイバーシンク」が始動へ)。2016年末には、最初の製品となる生産工程設計システム「E-M Bridge(仮称)」をリリースする予定だ。

3DビュワーとBOMを一体化する6つの特許技術

 図研プリサイトは発足に当たり、同社がプリサイト事業部で提供してきたソリューションである「3D CAD」「統合BOM」「生産管理(工程設計)」に、新たに「ナレッジマネジメント」を加えた。

図研プリサイトのソリューション 図研プリサイトのソリューション(クリックで拡大) 出典:図研プリサイト

 BOMに関しては、図研グループ製品が15%のシェアを占めており、さらに市場全体も拡大している。このうち同社のvisualBOMについては、「3D CAD導入により泣き別れになった図面を、3DビュワーとBOMの一体化により再現させようとしたのがもともとのコンセプト。この製品の特徴は図面にある」(上野氏)という。

「visualBOM」のコンセプト「visualBOM」のコンセプト 「visualBOM」のコンセプト(クリックで拡大) 出典:図研プリサイト

 この3DビュワーとBOMの一体化の技術については、以下の特許を取得している

  1. 「BOM×3DのUI構成」(BOM情報と品目・図面情報の3D形状情報を、関連性をもって一覧表示する画面生成手段)
  2. 「クロスプロービング」(BOMと品目に関するパス情報をもとに、3D形状を特定するクロスプローブ手段)
  3. 「グラデーション表示」(BOMの品目情報を活用して、コストや納期などの閾値ごとに、3Dモデルの表示色を変更する手段)
  4. 類似形状検索(類似部品検索する際の、対象部品と指定方法に加え、類似品を一覧できる手段全般。および、選択した部品に画面上で交換する手段)
  5. BOMクロス集計(複数の製品を部品単位に展開する手段に加え、共通部品と他の部品とを区別して表示する画面生成手段)
  6. コンフィギュレーション(製品/部品を構成するモジュールをあらかじめ定義し、それを構成するユニットの数を表示形式で表示する手段。および、モジュールを置き換えて表示する手段)

 「これらの基本特許を前面に出してお客さまに提案していきたい」(上野氏)と販売に力を注いでおり、実際にvisual BOMは、産業機器メーカーを中心に50社以上に導入されるなど実績を伸ばしている。また販売方式も直販から間接販売へと移行している。

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