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» 2016年11月14日 10時00分 UPDATE

検査オートメーション:逆転の発想で生まれた3Dスキャナー、スマート工場実現のカギとなるか

インダストリー4.0などIoTを活用したスマート工場を実現する土台の1つが品質検査など検査工程の自動化である。その検査自動化の中心技術の1つとして3次元測定技術があるが、革新的な3次元測定技術によりこの検査自動化領域で注目を集めている企業がある。

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工場自律化のカギを握る3次元測定技術

 インダストリー4.0などIoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用したスマートファクトリーの実現に大きな関心が集まっている。スマートファクトリー実現のためには検査工程の自動化が欠かせないが、検査自動化に向け革新的な3次元測定技術を持つことで注目を集めている企業が、米国AMETEKグループのCreaformである。Creaformは携帯型3D(3次元)スキャナーで市場に独自のポジションを形成。従来3Dスキャナーというと、リバースエンジニアリングなど製品開発用途で利用されることが多かったが、製造現場の品質検査領域などへの対象領域を拡大し同市場の拡大を推進している。

携帯型3次元測定機を生み出した“逆転の発想”

 Creaformは2002年にカナダのケベック州で創業した3次元測定関連企業である。当初は3次元測定サービスを中心としていたが、2005年に初めてオリジナルブランドで携帯型3Dスキャナー製品展開を開始。2013年にハイテク関連機器などを展開する米国AMETEKに買収され、同社グループの中で成長を続けている。

 同社の共同創業者で、現在はAMETEK 上級副社長でCreaformの事業部門代表を務めるマーティン・ラモンターニュ(Martin Lamontagne)氏は「もともと創業時は他社の製品を使用した3次元測定サービスを展開していた。その中で自分たちにとって使いやすい3Dスキャナーが作れないか、と考えて自社製品の開発を行った」と3Dスキャナー開発の経緯について語る。

photo AMETEK 上級副社長でCreaformの事業部門代表を務めるマーティン・ラモンターニュ氏

 同社の3Dスキャナー製品のコンセプトは「TRUaccuracy(真の精度)」「TRUportability(真の携帯性)」「TRUsimplicity(真のシンプルさ)」であり、誰でも簡単に高品質なデータ取得が可能であることが特徴である。こうした開発コンセプトが生まれたのには背景がある。

 ラモンターニュ氏は「3次元測定サービスを展開する中で、従来の商品開発の工程の中では、パーツの測定を行うのにいちいち測定機にパーツを持っていかなければならなかったのが負担だと感じていた。こうした商品開発の無駄な負担を減らすため『測定するのにパーツを測定機に持っていく』という作業を、“逆”にできないかと考えた。つまり『測定機をパーツに持って行って測定する』ということだ。それにふさわしい機器を開発した」と製品開発の方向性について述べている。

 大学などとの共同研究をへて2005年には最初の自社ブランド製品をリリース。現在までに25製品を展開し、ハンディタイプの3Dスキャナーでは市場をリードする存在となっている。売上高も年率二桁成長を続けており、2016年は35%成長となる1億ドル以上の売上高を計画しているという。

引き合いが広がる工場向けの品質検査用途

 同社の3Dスキャナーはメトロロジー・グレード(寸法検査レベル)の高精度なデータ取得が可能である一方で、直観的でシンプルな操作を実現していることが特徴である。

 デュアルカメラセンサー「C-Track」という2つのカメラと照明を備えた機器で、測定エリアを規定。C-Trackの視認エリアで、座標測定マシン「HandyPROBE」や3次元レーザースキャナー「MetraSCAN 3D」などの位置や向きなどの情報を認識させる。そして、C-Trackのエリア内で、HandyPROBEで取った座標位置やMetraSCAN 3Dで取った形状データなど取得することで、配置を正しく認識してデータ化するという仕組みになっている。データ化したい対象物にスキャン光をもれなく当てるだけで簡単にデータ化が可能である。従来の3Dスキャナーが苦手な“光モノ”や黒いモノなどについても問題なく取得可能だ。

photophotophoto 「HandyPROBE Next」(左)と「MetraSCAN 3D」(中央)、「C-Track」(右)(クリックで拡大)出典:Creaform

 こうした特徴を生かし、現在引き合いが強まっているのが、工場など生産現場での品質管理用途での利用だ。ラモンターニュ氏は「3Dスキャナーは従来は製品開発部門におけるリバースエンジニアリングの用途で使われることが多かった。しかし最近では、生産品質のトレーサビリティを求める動きや、従来こうした業務を担ってきた熟練工不足の問題もあり、品質検査などの領域で使われることになってきた。例えば、マット仕上げのような素材感が重要なパーツでは、触って検査することが難しい場合がある。そうしたパーツでも正しい形状で製造できているかを検査しようとすると、高精度の3Dスキャナーが必要になる」と述べている。

3Dスキャナー普及の4つのトレンド

 ラモンターニュ氏は3Dスキャナーの利用用途が増える背景には4つのトレンドがあると指摘している。

 1つ目が高齢化である。熟練技術者の高齢化が進む中で、これまでの人に頼った製品開発の手法を、効率化しデータなどの蓄積による技術伝承などを進めていく必要がある。こうした解決手法の1つとして、3Dスキャナーが使われるという流れである。

 2つ目が、3Dデータの活用の幅が広がってきているという点だ。若い世代が3Dデータの活用に親しむ中、将来的にこのデータを基盤にしたプロセスの効率化や、新たなビジネスモデルの創出などが進むという考えだ。

 3つ目が、高品位な製品の実現である。高品質で繊細な形状や表面品質などを実現するためには、より高精度で高信頼性を実現しつつ使いやすい検査機器が必要になる。こうした役割を3Dスキャナーが担うというものだ。

 そして4つ目が、インダストリー4.0などスマートファクトリーの動きである。インダストリー4.0などが目指している「自律した生産システム」実現のためには、それぞれの機械が自動で行う動作やその作業によって生み出されるパーツが、正しい結果を生み出しているか、ということを検査しなければならない。その検査用途として利用が拡大すると見られている点である。

 ラモンターニュ氏は「生産ラインの自動化領域を拡大し、最終的な自律化を求める動きが進むのであれば、工程内での自動検査は必須となる。現状でも自動検査へのニーズは高まってきている。こうした市場を切り開いていきたい」と述べている。

photo 生産工程でロボットアームに3Dスキャナーを設置したイメージ(クリックで拡大)出典:Creaform

 今後については、2017年1月には千葉県成田市に、修理・校正用の施設を設置する予定としており、日本向けでも検査自動化や生産工程での3Dスキャナー活用の市場拡大への取り組みを本格化させる方針を示している。

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提供:CREAFORM(AMETEK グループ)
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2016年12月13日

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