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» 2016年11月18日 10時00分 UPDATE

3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(51):デスクトップ3Dプリンタ「Form2」を設計業務で使う (1/4)

数年前までは「仕事で使う3Dプリンタ」といえば高価な業務用でした。でも最近、安価なデスクトップ3Dプリンタが業務でも“結構使える”感じなんです。読者の皆さんは業務でデスクトップ3Dプリンタを使っていますか? 私は使っていますよ。

[水野操 mfabrica合同会社 社長/3D-GAN,MONOist]

3Dプリンタはお山の上から転がり落ち、そして

 読者の皆さま、本当に本当にごぶさたしております。前回の50回目の連載を迎えることができて力尽きたわけではないのですが、あっという間に4カ月過ぎてました。これから暑くなろうかという時に書いてから、盛夏を過ぎ、今度は冬に向かっております。

 そのような季節の移り変わりは毎日見ていると変化がないように見えますが、ちょっと時を置いてみると、随分といろいろなことが変化しているように見えます。モノづくりの環境についても同じことがいえるのではないでしょうか?

 そのようなものの1つが「3Dプリンタ」です。

 3Dプリンタは、ガートナーが言う「ハイプサイクル」の頂点から盛大に転げ落ちている最中なのかもしれませんが、実は「定着するべきところに定着してきている」というのが私の見解でございます。

 特に最近の傾向として、ちょっとお高めのデスクトップ3Dプリンタがその環境の変化を作っているのではないかと思います(どうも「パーソナル」という言葉、私としてはいまひとつしっくりこないので、あえて「デスクトップ」と言い換えてみました)。

 2013年くらいまでは「仕事で使う3Dプリンタ」というと、いわゆる「数百万〜1000万円以上の業務用3Dプリンタ」という意見を持つ方がほとんどだったと思います。私も、そんなことを言っていた記憶がありますし、また実際にそうだったと思います。安価なプリンタで出力をしようとすると、出力そのものがなかなか上手くいかない。機械の安定性は悪い。無事に出力して形ができても、どうも品質(見た目や出力物の強度等も含む)もイマイチです。

 ……ということで、デスクトップ3Dプリンタでは「そこそこのレベルのモノさえ出力するのが困難だった」というのが事実ではないでしょうか。時間に追われている時に、そんな不安定なものに仕事を託すわけにはいかないですし。

 もっとも、業務用プリンタにも問題点があります。それがコストです。特に機械が高いのは仕方がないとしても、日々の材料コストもかなり掛かるというのが業務用の3Dプリンタでしょう。いくらデータがあるからといっても、そうそう気安く作っていたら、結局コストが掛かってしまって、思うほど手軽に試せないのです。そうはいっても「廉価版ではどうも仕事には……」というのが、ここ数年のジレンマだったと思います。

 しかし、私も3D CADでデータを作った後に、まずは手元の3Dプリンタで確認し、必要なら何度も修正をかけ、その後、切削なり金型なり、はたまた業務用の3Dプリンタで出力するという流れがいつの間にか定着してきました。ただ、それが何年のいつ頃だったのかまでは、はっきりと意識していませんでしたが。

 少し前、3Dプリンタブームの際に、3Dプリンタのまくらことばのように「革命」が付いていました。今になってみると、それで何か革命が起きたとまでは思ってませんが、私の仕事のやり方は随分と変わってきました。

 かつては、自分が何らかの生産設備を持っていなければ、自分の手元ではデジタルデータを用いた作業が中心でした。それが、いとも簡単に実物を作って確認できる、それも十分に使える品質で、というのは非常にインパクトが大きいことだと思います。

 それならばということで、「デスクトップ型の3Dプリンタだと、どれが良いですか?」という質問をよく受けます。で、よくお答えするのが、「Form2」です。

 その理由は「私が日々使っているから」です(笑)。他にも、最近はもっといろいろとあるのではと思いますが、まずは自分が毎日使っているもの、という観点でお話をします。

 「いや、この機械だっていいよ」という人は、ぜひ、TwitterやFacebookなどSNSで情報をシェアしていただけると、私も助かります。良いものは、試してみたいので。

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