無線タグとタクシー搭載のIoTデバイスで徘徊者発見を支援組み込み採用事例

Skeedは、第一交通産業と九州ヒューマンメディア創造センターと共同で、無線タグと地区内の中継装置により徘徊者を検出するシステムの実証実験を実施する。タクシーにも中継装置を搭載することで、探索可能な範囲が拡大した。

» 2016年11月18日 08時00分 公開
[MONOist]

 Skeed(スキード)は2016年11月1日、第一交通産業、九州ヒューマンメディア創造センターと共同で、徘徊者などの発見を支援するシステムの実証実験を北九州市小倉南区守恒地区で実施すると発表した。同地区では、2016年1月から中継装置とスマートフォンを用いた徘徊検知システムを実験的に稼働しているが、今回新たに、中継装置を該当地区のタクシーにも設置し、探索可能な範囲を広げる。

 実験は、高齢者や子どもなど徘徊の可能性のある人に約3cmの無線タグを持ってもらい、タグを持つ人が通過したことを検出する中継装置を該当地区に展開する。中継装置とタグがすれ違うと、位置情報と時刻がPeer to Peer(P2P)などの伝送方式で伝達され、見守る人(タグを持つ人の家族など)のスマートフォン画面に表示される仕組みだ。

 中継装置は3種類を用意する。1つは、人通りの多い主要道路沿いの店舗や家屋に固定的に設置するタイプ。2つ目は専用アプリを組み込んだ協力者のスマートフォンが中継装置となる。3つ目として、地区を走る第一交通産業のタクシーに専用中継装置を設置する。

 これにより、固定的な中継装置が設置されていない地区や、スマートフォンを持って歩く人が少ない場所でも、タクシーに搭載された専用の中継装置により、広範囲の捜索が可能になる。

 タクシーに搭載する中継装置は、自動車の電源と携帯電話回線の通信を利用してタグの検出情報を送信する。また、無線タグはボタン電池1つで約半年動作し、通信にGPSや携帯電話網を使用しない安価なものだ。

 同実証実験を通じて、各装置が特定の伝送経路に依存せず、環境に応じて最適な伝送経路を自律的に再構築する「自律分散型P2Pネットワーク技術」の可能性が示された。今後、同技術を活用し、地域における見守りサービス事業などへの事業拡大を目指すという。

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