プログラミングは加工機にお任せ、三菱電機が新型制御装置「D-CUBES」を披露JIMTOF2016(1/2 ページ)

三菱電機は「JIMTOF2016」において、「Manufacturing Tomorrow―未来のものづくり」をテーマに、新たな制御システムを採用したワイヤ放電加工機、レーザー加工機、形彫放電加工機などの新製品を披露した。

» 2016年11月24日 13時00分 公開
[長町基MONOist]

 三菱電機は「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」(2016年11月17〜22日、東京ビッグサイト)において、「Manufacturing Tomorrow―未来のものづくり」をテーマに、新たな制御システムを採用したワイヤ放電加工機、レーザー加工機、形彫放電加工機などの新製品を披露した。

新型加工機で新たな制御機能をアピール

 放電加工機では高性能ワイヤ放電加工機「MVシリーズ」の新製品として「MV D-CUBES(エムブイ ディーキューブ)シリーズ」を披露した。同製品はIoT技術を活用したリモートサービス「iQ Care Remote4U」に対応する新型制御装置「D-CUBES」を搭載し、高精度金型加工から部品加工までの幅広い用途に適応する。19インチ大画面タッチスクリーンでの操作ナビゲーションにより、段取りから加工までの操作数を最大40%削減。最適な給電制御により、消耗品であるワイヤ電極線の消費量を最大46%減らす。

photo 高性能ワイヤ放電加工機MVシリーズを披露(クリックで拡大)

 新型制御装置「D-CUBES」は同社のレーザー加工機や放電加工機用の新しい制御装置で、大画面のタッチスクリーンによるシンプルな操作性を実現していることが特徴である。さらに、簡単な加工プログラミングは、加工条件を入力しいくつかの選択肢を選ぶだけで組むことができ、熟練技術者でなくても短期間で使いこなすことが可能である。

 「日本でも現場の技術者の引退が進み技術者数が不足している。また、海外工場で技術者の数が足りない状況も多く、こうした人に頼った技術力をできる限り機械で吸収することを考え、シンプルな操作や簡単なプログラミングを実現した。『D-CUBES』は三菱電機の加工機に最適化されているために外販するつもりはなく、製品の差別化のポイントとして提案を進めていく」(ブース説明員)としている。

photo 三菱電機の新型制御装置「D-CUBES」

 一方、同製品に搭載した「iQ Care Remote4U」は、IoT技術を生かして、生産や保守をとりまく最新情報を「いつでも、どこでも」、製造現場を支援するもの。同リモートサービスにより加工機ごとの稼働・加工情報をみえる化し、段取りから加工までの生産性を向上した。また、サービスセンターから直接顧客の加工機の状況を遠隔診断して、予防保全情報を提供する※)

※)関連記事:加工機の遠隔監視サービスが好調、“意識の壁”も変化

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