上肢まひのリハビリロボットを発売医療機器ニュース

帝人ファーマは、脳卒中などによる上肢まひのリハビリを目的とした、「上肢用ロボット型運動訓練装置ReoGo-J」を発売した。まひしている上肢の関節癒着や拘縮を予防し、関節可動域の改善などに貢献する。

» 2016年11月25日 15時00分 公開
[MONOist]

 帝人ファーマは2016年11月7日、脳卒中などによる上肢まひのリハビリを目的とした「上肢用ロボット型運動訓練装置ReoGo-J」を発売した。

 ReoGo-Jは、3次元の動きで上肢訓練を行うことができるリハビリロボットだ。イスラエルの企業が開発した「ReoGo」を同社が日本向けに改良した。上肢をアームに載せ、モニターに表示される目標点に向けて動かすことによって、まひしている上肢の関節癒着や拘縮を予防し、関節可動域の改善などに貢献する。

 17種類のアームの動きと、5種類の異なる介助度、負荷や速度などを組み合わせて設定する。アームの動きは3次元で設定できるため、療法士によるリハビリと同様に患者ごとに適したリハビリが可能だ。さらに、ReoGo-Jが患者の身体を支えるため、療法士の身体的負担の軽減にもつながる。

 また、ReoGo-Jは患者の意志でアームを動かす設定が可能なため、上肢機能に関わる脳の刺激が増加して、機能回復が促進され、上肢の運動機能の改善が期待できる。ReoGoの臨床研究では、自主訓練に比べて上肢の運動機能を評価する指標が2.5倍に増加した。

 脳血管疾患、交通事故などによる外傷性脳損傷などの後遺障害として、上下肢にまひが残ることがある。近年の研究で、リハビリを実施し、脳に適切な刺激を与えることで、損傷部位の周りに新たな神経回路が形成され、機能が徐々に回復してくることが分かってきた。そのため、まひしている側の機能回復を目的としたリハビリの重要性が認識され始めている。

 同社はReoGo-Jを大学病院やリハビリ施設を中心に販売・リースし、将来的には在宅でのリハビリに対する展開も視野に入れている。

photo 「ReoGo-J」
photo モニターに示されるさまざまなアームの動き
photo 「ReoGo-J」の使用イメージ

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