金属3Dプリンタの利用領域拡大、自動車部品や航空機部品を狙い大型化JIMTOF2016

松浦機械製作所は「JIMTOF2016」において、ハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEX Avance-60」を出展。大型化に対応し、従来の精密製品の金型用途だけでなく自動車部品など幅広い製品ニーズに対応する。

» 2016年12月01日 14時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 松浦機械製作所は「第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)」(2016年11月17〜22日、東京ビッグサイト)において、ハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEX Avance-60」を出展した。大型化に対応し、従来の精密製品の金型用途だけでなく自動車部品など幅広い製品ニーズに応えていく方針だ。

photo ハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEX Avance-60」(クリックで拡大)

豊富な納入実績、専用CAMも

 松浦機械製作所は金属積層造形機の老舗ともいえる。既に、ファイバーレーザーによる金属光造形とマシニングセンタを組み合わせた「LUMEX Avance-25」を2002年から展開。特に電気製品など小型部品の金型用途などでは多くの納入実績を持っている。

 今回新たに投入した「LUMEX Avance-60」は、この「LUMEX Avance-25」による実績を生かしつつ、より大型のワークに対応したものだ。従来の「LUMEX Avance-25」が最大工作物寸法250×250×185mmだったのに対し、新製品「LUMEX Avance-60」は、600×600×500mmとし、航空宇宙産業や自動車産業からのニーズに応えられるようにした。

 造形時間の短縮を目的に、大容量1kWのファイバーレーザーを標準搭載しており、単位時間当たりの造形容量は従来製品に比べて約5倍に早めることに成功したという。同社の金属光造形複合加工機は、ファイバーレーザーによる金属光造形とマシニングセンタを組み合わせた製品で、金属積層造形の方法としては、パウダーベッド方式を採用している。これは粉末を敷いた領域を熱によって選択的に溶融結合させる技術である。この金属粉末をテーブル上面に敷き詰める「スキージング」動作の高速化なども実現したという。

 松浦機械製作所 技術本部 AMテクノロジーマネージャーの田中隆三氏は「自動車や航空機など大型部品の金型などへの引き合いが強まったことから大型化を実現した。さらに利用できる材料の拡大なども進めており、アルミ合金などへの対応も実現した」と述べている。

 その他、LUMEX専用のCAMなども進化しさせ「使い勝手の面も強化しており、より幅広い領域での活用を目指したい」と田中氏は述べている。

photophoto 「LUMEX Avance-60」で積層造形する様子(左)と、LUMEX専用CAMの画面例(右)(クリックで拡大)

第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)

第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)

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