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» 2016年12月05日 14時00分 UPDATE

組み込み開発ニュース:ARMのクラウドプラットフォーム「mbed Cloud」は「大手IT企業と競合しない」 (1/2)

ARMは、年次イベント「ARM Tech Symposia 2016」に合わせて開催した会見で、マイコン向けプロセッサコアの新プロダクト「Cortex-M23」「Cortex-M33」や、IoT(モノのインターネット)デバイスの管理に用いるクラウドプラットフォーム「mbed Cloud」などについて説明した。

[朴尚洙,MONOist]
ARMのマイケル・ホーン氏 ARMのマイケル・ホーン氏

 ARMは、年次イベント「ARM Tech Symposia 2016」(2016年12月2日、東京コンファレンスセンター・品川)に合わせて開催した会見で、同年10月に発表したマイコン向けプロセッサコアの新プロダクト「Cortex-M23」「Cortex-M33」や、IoT(モノのインターネット)デバイスの管理に用いるクラウドプラットフォーム「mbed Cloud」などについて説明した。

 会見に登壇したARM IoTビジネスユニット 部長補佐兼マーケティングおよびセールス担当バイスプレジデントのマイケル・ホーン(Micheal Horne)氏は「IoTは思ったほど伸びないという意見もあるが、ARMはそうは見ていない。ウェアラブルなどのコンシューマー製品、スマートファクトリー、スマートシティ、スマート照明などで広がりを見せており、その流れを加速させたいと考えている」と語る。

広がるIoTとプロセッサコアへの要求 広がるIoTとプロセッサコアへの要求(クリックで拡大) 出典:ARM

 ホーン氏は、IoT向けのプロセッサコアへの要求として、効率性、セキュリティ、スケーラビリティの3点を挙げる。そして、Cortex-M23/M33のベースとなる新アーキテクチャ「ARMv8-M」では、同社が「TrustZone」と呼ぶセキュリティ拡張機能の搭載によって、通信でつながるIoTデバイス向けのマイコンに求められるセキュリティを大幅に強化したことが特徴となっている。

「Cortex-M23/M33」に搭載された機能の概要 「Cortex-M23/M33」に搭載された機能の概要(クリックで拡大) 出典:ARM

 従来TrustZoneは、アプリケーション処理用プロセッサコアである「Cortex-Aシリーズ」に採用されていた拡張機能だ。ARMv8-Mでは、Cortex-Aシリーズで実証されたTrustZoneをリソースの少ないマイコン向けに仕立てた「TrustZone CryptoCell-312」を採用した。

 また、ARMv8-Mを用いたSoC(System on Chip)の開発を容易にするため、さまざまなIPやライブラリ、ソフトウェアライブラリ、OSなどとの連携が可能になる「CoreLink SIE-200」と「CoreLink SSE-200」を用意した。さらに、Bluetooth 5やZigBee、Threadなどの802.15.4ベースといった低消費電力無線通信接続のIPとなる「Cordio」も加えている。

「Cortex-M23/M33」は7社がリードパートナーに

 IoTを強く意識したこれらの改良を加えたARMv8-Mをベースに開発された、プロセッサコアの新プロダクトがCortex-M23/M33である。

IoTを強く意識した「Cortex-M23/M33」と「ARMv8-M」はセキュリティ機能「TrustZone」を搭載 IoTを強く意識した「Cortex-M23/M33」と「ARMv8-M」はセキュリティ機能「TrustZone」を搭載(クリックで拡大) 出典:ARM

 Cortex-M33は、従来のアーキテクチャ「ARMv7-M」をベースとする「Cortex-M3」「Cortex-M4」の後継となる。コプロセッサインタフェース、DSP、浮動小数点計算などの構成オプションを備える、いわゆる“高性能マイコン”向けのプロセッサコアとなる。Cortex-Aシリーズで最小となる「Cortex-A5」よりもチップ面積が80%小さいとしているが、これはTrustZone対応プロセッサコアでの比較という意味合いだろう。

「Cortex-M33」の特徴 「Cortex-M33」の特徴(クリックで拡大) 出典:ARM

 一方、Cortex-M23は、いわゆる“低消費電力マイコン”向けのプロセッサコアである「Cortex-M0/M0+」の後継だ。Cortex-M33と比べてチップ面積が80%小さく、消費電力も半分にとどまる。「環境発電型のIoTデバイスの開発が可能になる」(ホーン氏)としている。

「Cortex-M23」の特徴 「Cortex-M23」の特徴(クリックで拡大) 出典:ARM

 Cortex-M23/M33は、既にアナログ・デバイセズ(Analog Devices)、マイクロチップ(Microchip)、ヌヴォトンテクノロジー(Nuvoton Technology)、NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)、ルネサス エレクトロニクス、シリコン・ラボラトリーズ(Silicon Labs)、STマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics)の7社がリードパートナーとして名乗りを上げている。

「Cortex-M23/M33」のリードパートナー 「Cortex-M23/M33」のリードパートナー(クリックで拡大) 出典:ARM
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