連載
» 2016年12月15日 09時00分 UPDATE

“イノベーション思考”で発想が変わる!(4):思考の“切り口”を見つける裏ワザはこれだ! (1/2)

発想を生み出すためには「考え方の技術」がある。コツの解説と演習を通じてその技術を身につけてもらおうという当連載。前回はそのコツを詰め込んでお伝えしましたが、今回ではちょっとした“テクニック”を紹介。これらを活用して思考のスピードを上げ、思考力アップの訓練をしましょう。最後に演習問題の出題もあります。

[桑山和彦(株式会社VSN VIエキスパート ),MONOist]

 前回、「イノベーション思考」のコアとなる“発想を広げるロジックツリー”をどう創造していくかについて、かなり濃密に解説しました。あれさえできれば、思考の深度がぐっと深まります。だからこそ、そう簡単にできるものではなく、日々の訓練が必要なのです。そこで今回はその助けとなる2つの「ワザ」をお伝えします。発想を拡げる技術に慣れるためのきっかけとして活用してください。

フレームワークを利用する

 上位概念をMECEの考えに基づいて分解しようと思っても手が進まない。最初の一歩でつまずく。そんな方は「フレームワーク」を発想の仮組みとして活用してみてください。本来フレームワークはビジネスの世界で分析のために使う枠組みであって、思考を分解するためのものではないのですが、この先人達の知恵はもちろんMECEの考えに基づいているので「例えばこうかな?」「こんな切り口はどうかな?」と最初の一歩を踏み出す際にはとても参考になります。

 例えば、前回、下位のレイヤに置くことを提案している「ヒト」「モノ」「カネ」(「情報」「プロセス」……)などもその一つです。他に、3C(Company、Client、Competitor)、4P(Product、Price、Place、Promotion)、ECRS(Eliminate=省く、Combine=統合する、Rearrange=入れ替える、単純化する=Simplify)などがフレームワークの一例として挙げられます。

photo

 ただし、フレームワークはあくまで「発想の呼び水」に過ぎません。大事なのは、自分の頭で考えること。フレームワークをそのまま分解要素とするのではなく、切り口としてまず置いてみる、考えの切り口にする、というスタンスで活用してください。分解する、という第一段階が最も難しかったりします。慣れないうちは時間ばかりかかって見つからないこともあるでしょう。しかし、フレームワークを利用すると、それに当てはめることからスタートできるので、考えをスピードアップさせることができるのです。ぜひとも前回説明した「悪魔のささやき」を使い、「本当にこれでいいのか?」と思考して、自身の発想の広がりを追求していってください。

3つの切り口 その1:計算要素で考える

 フレームワークではなく、3つの「切り口」を覚えておくと、分解を始めるいいきっかけになります。その一つ目が「計算要素」で考えること。物事がどんなことで成り立っているか、という切り口で分解します。これには「掛け算」と「足し引き」の2つがあります。

 まず「掛け算」。例えば居酒屋の売上高の構成要素は「客数×客単価×回転率」と表現することができます。弊社の派遣事業での売上高構成要素は「エンジニア数×単価×派遣率」です。ちなみに、掛け算で考えたときに見逃しがちなのが「率」です。

 前述した居酒屋の売上高を上げる、というテーマで検討したいとき、「客数×客単価」、これは誰でも思いつきやすいものですが、そこに「回転率」という効率の視点を入れることで新しい発想と価値が生まれます。

photo

次に「足し引き」。もっと利益を上げるには? というテーマを考えたとき、利益は売上高―原価―販管費。これらの足し引きで考えることができます。売上高を上げるか、原価を下げるか、販管費を下げるか。

 ここで覚えておいてほしいのは、そのテーマを構成する要素が4つあるのだとしたら、切り口は4つあって構いません。ここは3つにこだわるのではなく、しっかり演算が成り立つことを意識してください。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.