競技に色認識を導入、新型ロボットでゲームに挑め!〜ETロボコン2016チャンピオンシップ大会〜ETロボコン2016(3/5 ページ)

» 2016年12月27日 11時00分 公開
[大塚実MONOist]

高難易度のブロック運びで想定外の事態!?

 一方、Rコースのゲームだと、ライン上を移動しながら、ブロックを運ぶのが基本だろう。しかしそれだと、進行方向に別のブロックがあった場合、避けて通る必要がある。ここで面白かったのは「AC.ひよこSONIC16」(アンリツ)。ラインの中間線も経路として選択可能になっており、最短距離でブロックを運んでいた。

AC.ひよこSONIC16は格子の中を通り、60.2秒の好タイムでゲームをクリア(クリックで再生)

 Rコースのゲームを最速でクリアしたのはYoungMasters。このチームはとにかくブロックの運搬が速く正確だった。角で曲がるとき、90度ターン1回で曲がるのではなく、45度のターン2回に分けることで、スピードをあまり落とさず曲がることができていた。ゲームタイムは53.0秒で、想定タイムを7秒も上回った。

YoungMastersはきびきびした動きで、あっさりゲームをクリア(クリックで再生)

 Rコースのゲームをクリアするためには経路探索のアルゴリズムを実装する必要があり、難易度がかなり高いと思っていたのだが、終わってみれば、20チーム中の10チームが3個全ての運搬に成功。それだけハイレベルな戦いだったといえるが、これは運営側にとっても予想外だったようで、次回の2017年の競技はもっと難しいものになるかもしれない。

 アドバンストクラスの1位は、Lコースが1位でRコースが2位という安定した走行を見せた「Champagne Fight」(リコーITソリューションズ ES事業部 札幌事業所)。ETロボコンでは、競技の結果だけでなく、提出したモデル(分析、設計)も評価されるのだが、同チームはモデル審査も1位となっており、文句なしの総合優勝だった。

Champagne FightのLコース。ラインのイン側を走り、最速の走行タイムを記録(クリックで再生)
順位 競技結果 モデル審査 総合順位
1位 Champagne Fight(リコーITソリューションズ ES事業部 札幌事業所) Champagne Fight Champagne Fight
2位 YoungMasters(SCSK 車載システム事業本部) パプリカ(富士ゼロックス) パプリカ
3位 NiASET(長崎総合科学大学) mono&科学の妖精(ものつくり大学/聖望学園高等学校) YoungMasters
アドバンストクラスの結果
アドバンストクラス総合優勝のChampagne Fightチーム アドバンストクラス総合優勝のChampagne Fightチーム(クリックで拡大)

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