ニュース
» 2017年02月07日 14時00分 UPDATE

ウェアラブルEXPO:“電力3万倍”で環境発電を効率化、電池レスウェアラブルの実現へ

エスアイアイ・セミコンダクタは、「第3回 ウェアラブルEXPO」において、“電力3万倍”をうたう半導体ソリューション「CLEAN-Boost(クリーンブースト)」を展示。環境発電(エネルギーハーベスティング)などによって得られる小さな電力を使って、無線通信モジュールを電池レスで動作させるられることを特徴としている。

[朴尚洙,MONOist]
「クリーンブースト」の概要 「クリーンブースト」の概要(クリックで拡大) 出典:エスアイアイ・セミコンダクタ

 エスアイアイ・セミコンダクタは、「第3回 ウェアラブルEXPO」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)において、“電力3万倍”をうたう半導体ソリューション「CLEAN-Boost(クリーンブースト)」を展示した。環境発電(エネルギーハーベスティング)などによって得られる小さな電力を使って、無線通信モジュールを電池レスで動作させるられることを特徴としている。2018年の市場投入に向けて開発を進めている。

 クリーンブーストは、環境発電によって発電されるμWやmWレベルの電力をキャパシターなどの蓄電素子に集めて、無線通信モジュールの電子回路を動作させられるように昇圧する技術である。最大の特徴は「環境発電などの小さな発電電力をモニタリングする際の消費電力が極めて少ないことだ。腕時計向けに培った技術を応用展開している」(同社の説明員)という。

 展示では4種類の環境発電に対してクリーンブーストを適用した事例を見せた。「CLEANアグローブ」は、土壌の発電菌からの電力でグローブに付けた温湿度センサーと無線モジュールを動作させる。「CLEANサンバイザ」は、サンバイザのバイザー部分に組み込んだ太陽光発電パネルの電力により、脳波センサー、紫外光センサー、無線モジュールを動作させる。「CLEANアセパッチ」は、汗の乳酸と反応する酵素発電により、乳酸量のセンシングと無線通信を行う。使用する酵素を変えると、果糖やアルコールなども計測できる。「CLEANエコマウス」は、体熱+熱電変換素子、マウスクリック時などの動作+磁歪素子で発電した電力により、電池レスのワイヤレスマウスを実現するものだ。

「CLEANアグローブ」「CLEANサンバイザ」 「CLEANアグローブ」(左)と「CLEANサンバイザ」(右)のデモ展示(クリックで拡大)
「CLEANアセパッチ」「CLEANエコマウス」 「CLEANアセパッチ」(左)と「CLEANエコマウス」(右)のデモ展示(クリックで拡大)

 クリーンブーストの原点となるのは、1998年に発表された腕時計「セイコーサーミック」だ。腕から伝わる体熱と熱電変換素子で発電し、その電力を昇圧することで時計機能を動作させる腕時計で、現在はセイコーミュージアムに展示されているという。

「クリーンブースト」の原点となる「セイコーサーミック」 「クリーンブースト」の原点となる「セイコーサーミック」(クリックで拡大)

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.