HEREとパイオニアが正式に提携に合意、2018年から両社で位置情報サービス開始車載情報機器

地図データ大手のHEREとパイオニアは、グローバルな地図ソリューションと次世代の位置情報サービスにおける戦略的提携に合意した。両社は2015年以降、協議を続けていた。

» 2017年02月09日 07時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 地図データ大手のHEREとパイオニアは2017年2月8日、グローバルな地図ソリューションと次世代の位置情報サービスにおける戦略的提携に合意したと発表した。両社は2015年以降、協議を続けていた。

 両社は地図データと自動車向けの技術を組み合わせ、グローバルな標準地図の相互活用と、自動運転システム用の高精度地図ソリューションの提供に取り組む。自動車業界だけでなく、位置情報を活用したいさまざまな業界に向けてもサービスを提供していく。

 グローバルな標準地図のサービスについては、パイオニアの完全子会社であるインクリメント・PとHEREが保有する地図データを製品やサービスで相互に利用する。これにより、HEREは日本の地図データを、インクリメント・Pは海外の地図データを顧客に提供できるようになる。

 自動運転システム用の高精度地図の作成については、パイオニアの3次元レーザースキャナ(3D-LiDAR)を使用してデータを収集する。

 2018年には、パイオニアの市販用デバイスでセンシングして得たデータを利用した位置情報サービスを市場導入する。HEREのオープンロケーションプラットフォームにパイオニアのデータが加わる。ドライバー向けにリアルタイムに提供するクラウドデータサービスの情報量が充実する。

パイオニアとHEREの協業体制 パイオニアとHEREの協業体制(クリックして拡大) 出典:パイオニア

 HEREはAudi(アウディ)、BMW、Daimler(ダイムラー)というドイツ大手自動車メーカー3社に買収された。2017年に入ってからは、ゼンリンやNVIDIA、Microsoftとの協業を発表している。

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