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» 2017年02月27日 06時00分 UPDATE

安全システム:高齢ドライバーを尊重して安全に運転してもらうには? 家族が見守れる仕組みを

オリックス自動車は、法人向け車両運行管理サービスの成果を個人向けにも展開し始めた。ターゲットは、移動手段としてクルマが必要で運転免許の返納が難しい高齢ドライバーと、その運転に不安を感じる家族だ。

[齊藤由希,MONOist]
運転データから、体調や行動の変化を見つけやすくする 運転データから、体調や行動の変化を見つけやすくする(クリックして拡大) 出典:オリックス自動車

 オリックス自動車は、法人向け車両運行管理サービスの成果を個人向けにも展開し始めた。ターゲットは、移動手段としてクルマが必要で運転免許の返納が難しい高齢ドライバーと、その運転に不安を感じる家族だ。

 法人向けのサービスでは事故件数の減少や燃費の改善で成果を上げており、個人向けにも同様の効果が見込めると判断した。移動範囲が狭いにもかかわらず徘徊するかのように長時間運転するといった認知障害の兆候も見つけやすくする。

 新型車の安全性能は年々飛躍的に向上しているが、経済的な理由や慣れたクルマに乗りたいという思いから古いクルマに乗り続ける高齢ドライバーは少なくない。オリックス自動車は後付けの手軽な装備と家族の協力で高齢者の運転を支援しようとしている。

導入企業で事故件数が7割減、燃費は1割改善

 オリックス自動車は法人を対象とした車両運行管理テレマティクスサービス「e-テレマ」を展開している。2016年9月末で利用実績は1900社、13万3000台に上る。このサービスでは、車両の現在地の他、専用の車載機器を車両のOBD2コネクターに接続し、運転時間や走行距離、速度、急加速や急ブレーキ、アイドリング時間を取得する。

テレマティクスサービスに使用する車載機器。OBD2コネクターから車両の情報を取得する(クリックして拡大)

 取得したデータは3G回線を通じてオリックス自動車のサーバに集め、専用のWebサイトから対象の車両の状況を確認できるようにする。急加速や急ブレーキ、速度超過といった危険運転が発生するとドライバーの上司や管理者にリアルタイムでメールが届き、運転の指導に活用できる。

 70社4万4500台の危険運転発生回数を導入当初と比較すると、速度超過が導入後14カ月で7割減、急加速が6割減、急ブレーキが4割減となった。導入後50カ月では、速度超過は8割減、急ブレーキは7割減、急加速は9割近い減少となっている。

 導入前後1年間の事故件数や平均燃費を導入企業の業種ごとにまとめた結果、事故件数は広告代理業で7割減、精密機器メーカーで半減した。燃費は広告代理業、精密機器メーカー、精密機械卸売業、経営コンサルタント業などで1割以上改善している。

導入企業で事故防止や燃費改善の成果を上げた(クリックして拡大) 出典:オリックス自動車

月額2980円

 e-テレマと同じ車載機器を個人向けにも展開し、運転見守りサービス「Ever Drive」として2017年2月から提供を開始した。サービスでは、メールで危険運転の発生や、指定場所への到着、日ごとの運転情報を受け取ったり、現在位置を確認したりすることができる。専用のWebサイトから走行履歴を見ることも可能だ。

専用のWebサイトで見られる情報。運転した時間や、危険運転が発生した場所を確認することができる(クリックして拡大)

 付帯サービスとして、医師や看護師が24時間年中無休で電話での健康相談に応じる他、認知機能の変化を定期的に確認できるチェックテスト、緊急時の駆け付けといったサービスも受けられる。通信料は月額2980円で、車載機器の設置や登録で初期費用1万円がかかる。

 65歳以上の免許保有数は2015年で1710万人に上る。死亡事故の件数自体は年々減少しているが、75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故の構成比率は10%以上まで上昇している。オリックス自動車は、移動手段や楽しみとしてクルマを保有したい高齢者の意向を尊重し、家族の見守りや運転履歴の把握によってなるべく長く、安心して運転してもらいたいという狙いでサービスを展開する。

ドライバーの高齢化が進み、死亡事故に関与する比率も上がってきた。その中でも、安心して運転してもらうには ドライバーの高齢化が進み、死亡事故に関与する比率も上がってきた。その中でも、安心して運転してもらうには(クリックして拡大) 出典:オリックス自動車

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