特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年03月17日 07時00分 UPDATE

製造業IoT:生産設備をシェアする「クラウド製造」、日立がドイツなどと共同開発

日立製作所は、ドイツのフラウンホーファー研究機構 製造技術・自動化研究所およびハンガリー科学アカデミー 計算機自動化研究所との共同研究により、企業間で生産設備の融通を可能にする「クラウドマニュファクチャリング」技術を開発した。

[三島一孝,MONOist]

 日立製作所は2017年3月16日、ドイツのフラウンホーファー研究機構 製造技術・自動化研究所およびハンガリー科学アカデミー 計算機自動化研究所との共同研究で、企業間で生産設備の融通を可能にする「クラウドマニュファクチャリング」技術を開発したと発表した。

生産設備を共有するクラウドマニュファチャリング

 日立製作所は2014年9月にIEC(国際電気標準会議)Market Strategy Board「Factory of the future」(スマートマニュファクチャリングの要件をまとめた白書)プロジェクトに参加。シェアリングエコノミーのコンセプトを活用した新しい生産システム「クラウドマニュファクチャリング」を提案している。

 クラウドマニュファクチャリングは、生産設備の利用権を必要な時に必要な時だけ企業間で融通し合うことで多様な顧客ニーズへの対応と高稼働率な生産体制の両立を可能にするものである。同システムは最終的に白書内で「クラウドソーシングプラットフォーム」として採択されている。

 今回、日立はクラウドマニュファクチャリングの実現性を検証するために、フランホーファ研究所およびハンガリー科学アカデミーを共同研究を実施。生産に必要な数量や加工条件などの重要情報を暗号化し、生産管理システムと複数の企業の生産設備をセキュアに接続する技術を開発した。具体的には、以下のようなステップで生産設備のシェアリングを行う。

  1. 設備貸与者と利用者の間での設備利用契約や生産計画に基づき、秘匿すべき重要情報を決定し、利用者が暗号化を行う
  2. 暗号化された重要な情報は、その他の生産に必要な情報とともに一時的に接続された貸与設備に送信され、生産を行う
  3. 生産終了後には、これらの情報は無効化される

 これらの技術により、設備利用者の重要情報が秘匿されながら、設備利用者はあたかも自社の設備のように生産でき、企業間でのセキュアな生産設備融通が可能となる。さらに、この技術をIoT対応産業用コントローラー※)に搭載し、製造ラインを模したテストベッド環境において生産管理システムと生産設備の相互接続テストを行うことで、クラウドマニュファクチャリングの実現性を確認したとしている。

※)関連記事:EtherCAT対応など工場のIoT対応を加速させる日立、まず「見える化」を提案

「日独IoT連携」のユースケースに

 この共同開発の成果は、日本の経済産業省とドイツの経済エネルギー省が、製造業におけるIoT化やインダストリー4.0の協力を推進する「日独IoT連携」共同プロジェクトのユースケースに登録されたという※)。今後、日立製作所は、クラウドマニュファクチャリングの実現に向けて、日独連携の枠組みのもと、研究開発を推進していく方針を示している。

※)関連記事:インダストリー4.0で具体化した日独連携、競合を越えた「つながる」の価値(前編)

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