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» 2017年03月17日 16時00分 UPDATE

産業用ロボット:人間対ロボットの将棋戦、今度は“両手”で勝負

ドワンゴ、日本将棋連盟、デンソーは、2017年4月1日と5月20日に開催される人間対ロボットの将棋戦「第2期電王戦」において、コンピュータの指示を代理で指す代指しロボットとして新たに「電王手一ニさん(でんおうていちにさん)」を使用する。

[三島一孝,MONOist]

 ドワンゴ、日本将棋連盟、デンソーは2017年3月17日、2017年4月1日と5月20日に開催される人間対ロボットの将棋戦「第2期電王戦」において、コンピュータの指示を代理で指す代指しロボットとして新たに「電王手一ニさん(でんおうていちにさん)」を使用することを発表した。

 「電王戦」は、大会形式などは変化しているが、2011年から続く現役プロ棋士とコンピュータソフトが真剣勝負をする棋戦である。「人間対機械」の臨場感を生み出すために2014年からデンソーウェーブの産業用ロボットを用いて、将棋ソフトの指示を盤上に再現するロボットの代差しスタイルが定着している※)

※)関連記事:人と戦うために生まれたロボット「電王手さん」は“人へのやさしさ”でできている

 デンソーウェーブが提供するロボットもさまざまな進化を遂げており、吸着型のハンドを用いていた最初の「電王手くん」から、2代目の「電王手さん」では駒をはさんでつかむグリップ式を採用。3代目の「新電王手さん」では、成りの動作の高速化と静音性の向上などを実現している。

2台のロボットで双腕を実現

 今回の「電王手一ニさん」の最大の特徴が「双腕」であるということだ。2台の産業用ロボットアーム「VS-060」を1台のロボットとして作動させる協調制御システムを採用し、人間の対局相手を考慮した「空気を読んだ」動作を実現。将棋盤という限られたスペースで、2台のロボットアームを両手として同時に作動させるため、プログラムは必要に応じてロボットの“頭脳”を結合、分割して動きを制御する。さらに、指し手の位置によって、本体を左右に移動させながら駒運びに対応。前回の「新電王手さん」と同レベルのスピードと静音性を保ちつつ、対局相手に心理的負担を与えないよう、指す時、引く時の加速度のブラッシュアップなども行っている。

photo デンソーウェーブの「電王手一二さん」

 駒が斜めになっていたり、ずれて置かれていても、アーム先端に装着したカメラが多方向から画像認識し1ミリの誤差もない着手を実現している他、棋士とロボットアームの間に目に見えない安全柵(エリアセンサー)を設置し安全性を確保している。ここ数回の「電王手さん」シリーズは、「VS-050S2」という医療用ロボットをベースとしていたが、今回は初代で採用した「VS-060」をベースとしている点も特徴だ。

 「第2期電王戦」は、第2期叡王戦を勝ち抜いた佐藤天彦叡王と第4回電王トーナメントの優勝ソフト「PONANZA」によって行われ、第1局を2017年4月1日に日光東照宮(栃木県日光市)で、第2局を同年5月20日に姫路城(兵庫県姫路市)で開催する。

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