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» 2017年03月28日 07時00分 UPDATE

車載情報機器:自動車保険の新規加入時から料金最大2割引も、国内初のテレマティクス保険

損害保険ジャパン日本興亜は、スマートフォンアプリを用いた運転診断結果に応じて自動車保険料を最大20%割引く「テレマティクス保険」を開発したと発表した。同保険に対応するスマートフォンアプリを2017年8月から提供し、同年内に保険商品本体の販売を開始する予定だ。

[朴尚洙,MONOist]

 損害保険ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン日本興亜)は2017年3月27日、スマートフォンアプリを用いた運転診断結果に応じて自動車保険料を最大20%割引く「テレマティクス保険」を「国内で初めて」(同社)開発したと発表した。同保険に対応するスマートフォンアプリを同年8月から提供し、同年内に保険商品本体の販売を開始する予定だ。

 テレマティクス保険は、損保ジャパン日本興亜が2016年1月から提供している個人向けスマートフォン用カーナビアプリ「ポータブルスマイリングロード」で収集した走行データを基にしている。2017年8月に行うバージョンアップ後のアプリを利用すれば、独自のアルゴリズム、データクレンジング技術などを活用して、ドライバーそれぞれの安全運転度合いの分析が可能になる。この安全運転度合いから、保険料の割引率を算出するという仕組みだ。

 保険料の割引率がひも付いたアプリを損保ジャパン日本興亜に提示すれば、新規の自動車保険契約時に保険料が割引かれる。

 なお、安全運転度合いの分析は一定の期間をかけて実施することになる。これは、ドライバーの運転特性とその安全運転度合いをひも付けるのに必要な作業となる。また、安全運転度合いを分析するのに専用の車載機器は不要である。

「テレマティクス保険」の保険料割引のイメージ 「テレマティクス保険」の保険料割引のイメージ(クリックで拡大) 出典:損保ジャパン日本興亜

 今回のようなテレマティクス保険は欧米で普及しつつあるが、国内では事故の有無に応じて「適用される等級・保険料」が変わる等級制度が確立されていることもあって需要は低く、積極的な商品開発は行われていなかった。しかし2014年の国土交通省での検討会を経て、国内でも保険商品に対するテレマティクス技術の効果的な活用方法の研究が進みつつある。

 また近年の傾向として、自動車を所有せず、必要な場合にレンタカーやカーシェアリングなどを利用するドライバーが若年層を中心に拡大している。これらのドライバーが、自動車の所有を検討する場合、初めて自動車保険に加入することになるため保険料は高額になりやすい。このことが、若年層が自動車の所有を控える理由の1つになっているという。

 損保ジャパン日本興亜のテレマティクス保険は、ドライバーの運転特性と安全運転度合いの計測を無料のスマートフォンアプリだけで行える。つまり、レンタカーやカーシェアリングなどを利用したときの運転内容から無料で自動車保険の割引査定をしてもらえるので、新たに自動車保険に加入する際のハードルを下げる効果を得られることが大きな特徴になる。

ソニー損保の「やさしい運転キャッシュバック型」と比較

 なお、テレマティクスを利用した保険料の割引には、ソニー損害保険が2015年2月に発表した「やさしい運転キャッシュバック型」がある。この保険は、無料で貸与するドライブカウンターで計測した運転特性を保険料に反映し「やさしい運転」であればキャッシュバックを受けられるという仕組みになっている。キャッシュバック率は最大20%で、これは損保ジャパン日本興亜のテレマティクス保険と同じだ。

 ただし、やさしい運転キャッシュバック型は、専用機器のドライブカウンターが必要であり、最低でも約半年間はドライブカウンターを自動車に搭載しておく必要がある。これに対して、損保ジャパン日本興亜のテレマティクス保険は、専用機器が不要であり、保険加入前から割引率の基になる運転特性を計測することが可能だ。

「やさしい運転キャッシュバック型」で用いるドライブカウンター 「やさしい運転キャッシュバック型」で用いるドライブカウンター(左)と設置イメージ(右)(クリックで拡大) 出典:ソニー損害保険

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