モジュラー型生産のカギを握る情報端末、IBMなどと連携ハノーバーメッセ2017

ハーティングは、ハノーバーメッセ2017において、2016年に「HERMES AWARD 2016」を受賞した統合基盤向けインタフェース「MICA」のポートフォリオの拡大について訴えた。

» 2017年05月08日 13時00分 公開
[三島一孝MONOist]

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 ハーティングは、ハノーバーメッセ2017(2017年4月24〜28日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、2016年に「HERMES AWARD 2016」を受賞した統合基盤向けインタフェース「MICA(Modular Industry Computing Architecture)」が、IBMとの連携などを含め、ポートフォリオを拡張していることを訴えた。

 ハーティングの「MICA」は、ボックスコンピュータ型のコンパクトな筐体にインタフェースとLinuxベースのコンピュータを内蔵。コネクタのインタフェース情報や同コネクタを通る情報を保持することなどが可能となる仕組みである。生産ラインの構成情報などを保持し、ライン変更時などにその構成情報をもとにすぐにライン復旧を可能とするような使い方の他、クラウドゲートウェイやPLC連携などさまざまな使い方を想定できるという。

 同機能がインダストリー4.0などで注目される「モジュラー型生産」などに効果的だとして評価を受け、ハノーバーメッセが実施している技術賞「HERMES AWARD(ヘルメスアワード)」を2016年に受賞している。

photophoto コネクタのインタフェース情報を保持できる「MICA」を活用することでコンパクト化を実現した電気自動車のプロトタイプ(左)と同プロトタイプに採用された「MICA mini」(クリックで拡大)

 ハノーバーメッセ2017では、この「MICA」のポートフォリオを拡大。Digital Technology Polandなど新たな開発パートナーの協業などの他、IBMとクラウドデータの収集や分析、加工などの領域で協業。「Watson IoT」などを活用する方針を示した。さらにMICAアプリケーションの開発において、ハーティングとパートナー企業が意見を交わし、新たな開発を進めるコミュニティー「MICA.network」を用意し、さらに効果的なアプリケーションなどを拡張していく姿勢を示した。

photo ハノーバーメッセ2017でのハーティングブースの「MICA.network」の紹介コーナー

 IBMとの協業では、ハーティングの自社工場での自社実践なども推進。ハーティングの工場の射出成形機にMICAを設置し、MICAを経由して、IBMの情報プラットフォームである「IBM Bluemix」上で収集。さらにこれをWatson IoTにより分析し、加工するという実践の結果を示していた。

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