特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年06月14日 13時00分 UPDATE

スマートファクトリー:オークマの“夢工場”はスマート化とロボット化で花開く (1/3)

工作機械大手のオークマは2017年5月に新工場「Dream Site 2」部品工場を完成。いち早くスマート工場化を進めた「Dream Site 1」の実績を生かし、ロボット活用やIoT活用などでさらなる高度化を目指している。

[三島一孝,MONOist]

 工作機械大手のオークマは2017年5月に新工場「Dream Site 2(ドリームサイトツー、以下DS2)」部品工場を完成させた。同社は2013年5月に自己完結一貫生産型のスマートファクトリー「Dream Site 1(ドリームサイトワン、以下DS1)」を稼働させており、IoTを活用したスマート工場への取り組みを進めている※)。新工場DS2部品工場では、ロボット活用およびIoT活用の領域を拡大し、自動化領域を拡大しスマート化を一歩前進させた。オークマが新工場で目指す姿を紹介する。

※)関連記事:「日本で作って世界で勝つ」――オークマが“夢工場”で描く未来とは

photo オークマの「Dream Site 2」部品工場の内部の様子(クリックで拡大)

DS1で得たスマート化の知見を活用

 工作機械は、個々のカスタマイズが発生する多品種少量生産の典型的な製品である。そのため自動化が難しく生産効率を向上させることが難しかった。オークマではこれらの状況に対応するためにICT(情報通信技術)を有効活用し、工場での生産効率を高める取り組みを推進。その第1弾として2013年にDS1を建設した。

 DS1は愛知県大口市のオークマ本社敷地内に建設。建屋面積は2万3600m2で、中型および大型の複合加工機やCNC旋盤を生産している。素材投入、部品加工、ユニット組み立て、総組み立て、立ち会い検査、出荷までを一貫して行う、自己完結一貫生産工場であり、24時間・週7日間稼働を実現している。同工場では、切削液の自動供給装置や切りくずの自動回収システム、一部搬送用のロボットの採用など、工程の自動化設備を積極的に採用した他、工場内に設置したモニターや、各作業員が持つタブレット端末で、工場内の設備の稼働状況や生産品目の状況など、各種生産関連情報が自由に閲覧できるようになっていることが特徴である。

 DS2部品工場ではこれらの自動化やスマート化の知見を活用し、さらに発展させたことが特徴となる。DS2部品工場の建屋面積は1万1000m2で、小型、中型のCNC旋盤や研削盤を製造する。DS1については、部品や素材を加工する「加工エリア」と、これらの部品を組み立てる「組み立てエリア」を保有しているが、DS2部品工場は現状では部品を加工する「加工エリア」のみとなっている。現状は加工のみだが、時期は未定であるものの、拡張して組み立て工程も含む一貫生産ラインとする計画もあるとしている。

photo DS1とDS2の位置関係と規模(クリックで拡大)出典:オークマ

大物、中物、小物の3つの加工エリアを設置

 DS2部品工場では、「大物加工エリア」と「中物加工エリア」「小物加工エリア」の3つの加工エリアを用意。それぞれに素材センターから自動で素材が運び込まれる搬送路を用意している。また精密加工を行う恒温室なども用意し、主軸や心押棒、フランジなどの加工を行っている。

photo DS2の工場内レイアウト(クリックで拡大)出典:オークマ
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