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» 2017年06月19日 06時00分 公開

車載情報機器:コンチネンタルが目指す“完全な”コネクテッドカー、通信業界との連携強化 (1/2)

Continental(コンチネンタル)が、“完全なコネクテッドカー”の実現に向けて、技術開発を急ぐ。異業種とも積極的に協業してソリューションをそろえている。

[齊藤由希,MONOist]
写真左からコンチネンタル インフォテインメント&コネクティビティーでバイスプレジデントを務めるラース・シュルタイス氏、ヨハン・ヒーブル氏、テレマティクスシステムズ エンジニアリングマネジャーのロバート・ジィ氏 写真左からコンチネンタル インフォテインメント&コネクティビティーでバイスプレジデントを務めるラース・シュルタイス氏、ヨハン・ヒーブル氏、テレマティクスシステムズ エンジニアリングマネジャーのロバート・ジィ氏

 Continental(コンチネンタル)が、“完全なコネクテッドカー”の実現に向けて、技術開発を急いでいる。

 LTE回線やWi-Fiが不安定な場所でも安定した通信を確保するため、衛星通信回線を活用する。異なる種類のネットワークをシームレスに切り替える技術も取り入れる。常時通信接続によって、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)を始めとするテレマティクスサービスの利便性を向上させる。LTE通信を応用した車車間・路車間・歩車間通信(V2X)の製品化や、将来の5G技術の活用も視野に入れる。

 2017年6月16日にコンチネンタル・オートモーティブ・ジャパンで開いた事業説明会に、コンチネンタル本社のインテリア部門 インフォテインメント&コネクティビティー事業部長のヨハン・ヒーブル氏らが出席して、コネクテッドカーの取り組みを紹介した。

完全な常時通信接続?

 コンチネンタルのコネクティビティー事業はモトローラの自動車用エレクトロニクス部門(2006年にコンチネンタルが買収)が1996年に製品化した緊急通報向け通信ユニットからスタートした。遠隔診断用やLTE通信など、これまで3000万台の通信ユニットの出荷実績があるという。今後、2026年までに4000万台の通信ユニットの出荷を見込んでいる。

 完全なコネクテッドカーの実現に向けて、セキュリティや、オープンソースソフトウェアをベースにしたフレキシブルなソフトウェア開発キットといったソリューションを提供するだけでなく、OTAによる複数のECUの同時更新、V2X、5Gや衛星通信回線の採用にも注力していく。

コンチネンタルとインマルサットの実験車両(左)。コネクテッドカーでの衛星通信の用途(右)(クリックして拡大) 出典:インマルサット

 インフォテインメント&コネクティビティー事業部は、異業種との協業に積極的だ。衛星通信回線については、Inmarsat(インマルサット)と2017年1月の家電見本市「CES 2017」に出展した。OTAでインマルサットのグローバルサテライトネットワークを活用するため共同開発を進めており、2021年にも衛星通信によるOTAに対応した量産車が発売されるという。衛星通信回線の利用料については、インマルサットと検討していく。

 衛星通信回線はグローバルに通信エリアをカバーできるため、国や地域ごとに複数の通信事業者と連携したり、認証を取得したりすることなく世界でOTAが実施できるのが強みだという。衛星通信回線はコネクテッドカー向けに十分な通信速度があり、LTE回線と併用することでコネクテッドカーのデータ通信を分散させ、通信の負荷を下げることも可能となる。郊外や山間部などLTE回線やWi-Fiが不安定な場合に、衛星通信を利用して安定したコネクティビティを維持できるメリットもある。

 このように複数の通信回線がクルマに採用されると、異なるネットワークにシームレスに切り替える必要が出てくるため、コンチネンタルはワイヤレス接続ソリューションプロバイダーのCarnegie Technologies(カーネギーテクノロジーズ)と協力する。

 カーネギーテクノロジーズは、コストと通信品質を基に複数の回線から柔軟にネットワークを選択・切り替える技術を持つ。複数の通信回線があっても、高速で信頼性が高くコスト効率のよい接続を提供する。

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