特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2017年06月21日 13時00分 UPDATE

スマートファクトリー:古い設備でもリードタイム65%削減、GEヘルスケア日野工場がIoTで実現したこと (1/2)

「スマートファクトリー Japan 2017」の講演にGEヘルスケア・ジャパン Brilliant Factoryプロジェクト長の田村咲耶氏が登壇。「GEヘルスケア日野工場における次世代工場の取り組み」をテーマに、同社工場のデジタル化への取り組みなどを紹介した。

[長町基,MONOist]

 製造現場や生産管理の先進化や効率化を実現する技術を紹介する展示会「スマートファクトリー Japan 2017」(2017年6月7〜9日、東京ビッグサイト)の講演に、GEヘルスケア・ジャパン Brilliant Factoryプロジェクト長の田村咲耶氏が登壇。「GEヘルスケア日野工場における次世代工場の取り組み」をテーマに、同社工場のデジタル化への取り組みなどを紹介した。

 GEは、現在世界に450ある製造拠点の全てを「ブリリアント・ファクトリー」化する取り組みを進めている。目指しているのはGEの産業用IoTプラットフォームである「Predix」など最新のデジタル技術を用いて、リアルタイムでデータ活用し、製造オペレーションからサプライチェーンまで全体を「最適化」することだ。講演では、この戦略のロールモデルとされるGEヘルスケア日野工場のアプローチ方法などを披露した。

GEが進めるデジタル化とブリリアント化

 GEは「デジタル・インダストリアル」のコンセプトのもと、事業ポートフォリオの選択と集中を進めている。

 数年前までGEの収益源は金融部門だった。それがリーマンショック以降、事業環境の変化に合せて、インダストリアル関連の方向へ舵を切り、保険事業、放送事業、シンクロニー(金融)、キャピタル事業、家電などの部門を売却。一方でエネルギーやインフラ関連企業を買収し、現在はインダストリアル関連の売り上げが90%を占めるなど、かつてベースとしていた重厚長大のインダストリアル・カンパニーへと収益源を組み替えている。2016年の売上高は約13兆5千億円。エネルギー、輸送、医療分野の構成比が高く、日野工場はGEヘルスケアの主要工場に位置付けられている。

 GEではインダストリー領域に事業を集約し、その上でソフトウェアとアナリティクスへの投資を拡大。ハードウェアにソフトウェアを組み合わせるソリューションカンパニーを目指し「GEデジタル」という新組織を発足した。それまで全社横断的に点在していたデジタル関連機能を1つに集約するもので、GEソフトウェアセンター、グローバルIT部門、各事業のソフトウェアチームと、2014年に買収したWurldtechの産業セキュリティ部門を1つに統合している。このデジタルトランスフォーメーションの目的はインダストリー事業分野における生産性向上の要素である設備、オペレーション、人材をより高めることだ。これを推進するため開発したのが、IoTプラットフォーム「Predix」である。

「Predix」で実現するブリリアント・ファクトリー

 GEでは、このPredixを使って、自らが効率化を進める最高の見本になるための取り組みを開始した。実施にあたってはエンジニアリング、設計(生産性・コストのための設計)、製造(製造プロセスの最適化)、サービス(コンディションベースのサービス)の3つをテーマとして、その中で製造プロセスの最適化を図るために世界450ある工場の生産力、生産サイクルの向上、ダウンタイムの低減を実現するブリリアント・ファクトリー化を進めている。

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