DMS2017

3Dプリント治具で、産業用大型プリンタの組み立てラインを刷新3Dプリンタニュース

ストラタシス・ジャパンは、同社のプロダクションシステムによって産業用大型プリンタの組み立てラインを刷新した事例を発表した。ラインで使用する金属製治具を形状を最適化した3Dプリント治具に変更することで、作業効率が大幅に改善した。

» 2017年06月23日 10時00分 公開
[MONOist]

 ストラタシス・ジャパンは2017年6月15日、同社のプロダクションシステムによって産業用大型プリンタの組み立てラインを刷新し、製造効率を改善した事例を発表した。

 今回発表したのは、リコーインダストリーの事例だ。リコー・ラピッドファブは、2015年にストラタシスの3Dプロダクションシステム「Fortus 900mc」を初めて導入。以来、リコーインダストリー東北事業所の生産革新センターでは、作業者1人当たりの担当部品が200点前後もある産業用大型プリンタの生産ラインにおいて、使用する金属製治工具を3Dプリンタで形状を最適化して造形した治工具に変更した。これにより、例えばリードタイムに3週間ほどかかっていた作製プロセスが1〜3日に短縮するなど、作業効率や生産性が大幅に改善した。

 Fortus 900mcは、従来の切削加工では困難だった中空/曲線/複雑な形状などが設計できる。高強度/高耐熱の材料が使用可能で、電子部品には帯電防止効果を持つ材料が使用できるなど、治具の幅が広がる。

 3Dプリントでは、作業を補助する矢印や記号などを治具に直接付加することも可能で、従来は組み付け作業の習得に少なくとも1週間を費やしていたが、2日間で適応可能になる。また、3Dプリンタで造形した治具は重量も軽く、長時間快適に使用できるとしている。

photo 従来の金属製治具(左)と3Dプリントで作製した治具(右)

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