診断通信機能の推奨テストツール、トヨタがベクターを選定車載ソフトウェア

トヨタ自動車が診断通信機能の推奨テストツールとしてベクターのECUの開発・テストツール「CANoe.DiVa」を選定した。

» 2017年07月19日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ベクター・ジャパン(以下、ベクター)は2017年7月12日、トヨタ自動車が、故障診断などを行う診断通信(Diagnostic Communication)機能の推奨テストツールとしてベクターのECUの開発・テストツール「CANoe.DiVa」を選定したと発表した。

 トヨタ自動車向けにECUを開発するサプライヤーは、CANoe.DiVaを使用することで、テストモジュールとテスト仕様の自動生成、テストの自動実行、テストレポートの自動生成が行えるようになる。ECUの診断通信機能の評価手順を標準化するとともに、工数の大幅削減を図れるとしている。

 ベクターは、診断通信仕様の誤解釈を防ぐため、診断通信に必要な仕様をマシンリーダブルな形式で記述し、データベース化することを提案している。診断通信のデータベースと、自動車メーカーの評価規定をカバーしたCANoe.DiVaの「OEM Extension」を組み合わせることにより、テストモジュールとテスト仕様書を自動生成できるようにする。

 ベクターはトヨタ自動車の診断通信仕様のデータベース作成を支援するとともに、トヨタ自動車向けのOEM Extensionを開発。これにより、トヨタ自動車向けのECU開発で要求されるテスト環境の構築が容易になる。テストとテストレポートの生成が自動で実行できるため、診断通信機能の評価工数を削減できる。診断仕様や評価規定の更新に合わせてOEM Extensionのアップデートも実施する予定だ。

CANoe.DiVaを使用した評価フローの概念図(左)。自動テストのレポート例。評価結果とともに通信ログも表示される(右)(クリックして拡大) 出典:ベクター・ジャパン

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