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» 2017年07月25日 06時00分 UPDATE

自動運転技術:バイクに感情を持たせたら、高速走行中はランナーズハイだった? (1/3)

法人向けイベント「ソフトバンクワールド 2017」(2017年7月20〜21日、東京都港区)の講演に、ソフトバンクのグループ会社であるcocoro SBの取締役である大浦清氏が登壇。クルマやバイクに感情を持たせる試みの最新動向を紹介した。

[齊藤由希,MONOist]
cocoro SBの大浦清氏 cocoro SBの大浦清氏

 米国のドラマ「ナイトライダー」やディズニー映画「カーズ」を本気で実現したい――法人向けイベント「ソフトバンクワールド 2017」(2017年7月20〜21日、東京都港区)の講演に、ソフトバンクのグループ会社であるcocoro SBの取締役である大浦清氏が登壇。独自の人工知能(AI)技術「感情AI」で、実際の二輪車に感情を持たせるなどした最新の取り組みを紹介した。

大脳新皮質か、大脳辺縁系か

 ソフトバンクの感情AIを使い、クルマや二輪車に感情を持たせようとする取り組みは2016年7月以降活発になった。まず、本田技術研究所とソフトバンクが2016年のソフトバンクワールドで共同研究を行うことを公表した。

 その後、川崎重工もライダーと言葉で意思疎通が可能な次世代の二輪車をソフトバンクと共同開発すると発表している。ライディングを楽しむための適切な情報や、安全に運転するためのアドバイスを車両から提供する他、AIがライダーの経験やスキル、ライディングスタイルを理解し、ライダーの個性をマシンのセッティングや制御に反映できるようにする。

 三菱自動車は、ドライバー向けのAIパーソナルアシスタント「RISA」の日本語版についてソフトバンクグループと共同開発を進めている。ドライバーの声や表情を基に注意力や認知レベル、感情、意図まで認識することを目指す。なお、RISAの英語版は米国シリコンバレーの企業と開発している。

 ホンダ、川崎重工、三菱自動車のいずれも製品化を視野に入れているが、量産時期は公表していない。また、民生機器テクノロジーの展示会「CES 2017」でトヨタ自動車もドライバーの感情や嗜好を理解するAIを搭載したコンセプトカーを披露するなど、乗員との間で心を通わせるAIに注目が集まっている。

 自動運転車が周辺環境を認知する用途では、機械学習やディープラーニングといったAI技術も活用されている。大浦氏はこうしたAI技術と感情AIについて「大脳辺縁系か、大脳新皮質か」と違いを説明した。大脳辺縁系は人間の本能的な行動や情動、自律機能、嗅覚をつかさどる。大脳新皮質は人類では最もよく発達した部位で、学習や思考など精神活動が営まれている。

大脳辺縁系の働き 大脳辺縁系の働き(クリックして拡大) 出典:cocoro SB

言葉づかいでは隠せない、不随意な動き

 感情AIは、音声から話者の感情を認識する技術と、モノの感情を生成する技術の2つで構成する。どちらも、神経伝達物質の分泌といった脳の働きと、それによる情動や行動、不随意な反応に基づいている。

 例えば、音声から感情を認識する場合は言葉の内容ではなく、声帯の動きから発生する声の震えや緊張など、不随意な情報から情動を分析する。検出できるのは「平常」「怒り」「喜び」「悲しみ」の4種類だ。これに興奮の度合いを組み合わせ、検出した感情がどの程度強いのか、定量的に把握できるようにする。

声帯の動きなど不随意な反応から感情や興奮度合いを認識する 声帯の動きなど不随意な反応から感情や興奮度合いを認識する(クリックして拡大) 出典:cocoro SB
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