バイタルデータを自動で取得する、ナースカート搭載型端末を発売医療機器ニュース

島津エス・ディーは、ナースカート搭載型の「バイタルデータターミナル NC」と、同製品を搭載済みの専用ナースカートを発売した。従来のベッドサイド固定型とは異なり、ナースカートへの取り付け式となっている。

» 2017年07月27日 15時00分 公開
[MONOist]

 島津エス・ディーは2017年7月12日、ナースカート搭載型の「バイタルデータターミナル NC」と、同製品を搭載済みの専用ナースカートを発売した。価格は、NCが専用取り付け具込みで20万円、専用ナースカートが35万円(いずれも税別)。端末は、専用の取り付け具によって一般的なナースカートにも取り付けできる。発売から1年間で、NC単体で国内300台の販売を目指す。

 「バイタルデータターミナル(VDT)」は、患者の体温や血圧、脈拍、動脈血酸素飽和度(SpO2)、血糖値などのバイタルデータをNFC通信対応測定機器で測定後、機器をVDTの読み取り部にかざすことで測定データを自動で取り込むことができる。

 従来のベッドサイド固定型VDTでは、対応するベッド上の患者を検知し、登録されていたベッド情報と照合して患者を特定する。今回発売したNCは、ナースカートへの取り付け式で、少ない台数で運用可能になった。

 同製品では、端末を取り付けたカートでベッドに近づくと、カートの前方から約3mの範囲で専用の検知タグを着用した患者を自動検知する。さらに、ベッドに取り付けた電子タグから約30cmの距離で電子タグを読み取り、ベッド情報を取得する。これらの情報を照合することで患者を特定できる。オプションで、従来のバーコードを読み取る方法での運用も可能だ。

 また、NFC通信に対応する測定機器であれば、メーカーを問わずバイタルデータの取り込みができる。病棟ごとに使用する測定機器のメーカーが異なっても、病院全体での導入や共通の運用が可能だ。各パーツがセパレート式になっているため、端末をナースカートに取り付けても作業スペースを確保できる。

 測定機器から取り込んだバイタルデータや検知した患者情報、看護師情報は、PCかスマートフォンのデータ確認専用アプリケーションで確認後、電子カルテへ送信できる。電子カルテシステムに同製品のシステムを組み込むためのアプリケーションの構築や電子カルテとのデータ連携など、医療施設に合わせたカスタマイズもオプションで対応可能だ。

 島津エス・ディーは、同製品を導入することで、看護師によるバイタルデータ入力業務の負荷軽減や作業の効率化が可能になるとしている。

photo カートへの取り付けイメージ(左)と「バイタルデータターミナル NC」組み込み専用ナースカート(右)(クリックして拡大) 出典:島津エス・ディー

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