バーコードの種類にはどういうものがあるのか?いまさら聞けない工業用バーコードリーダー入門(2)(2/2 ページ)

» 2017年08月25日 10時00分 公開
[コグネックスMONOist]
前のページへ 1|2       

2次元マトリックスコードの種類

 1次元バーコードとは異なり、2次元マトリックスコードは、垂直、水平の両方向に情報が入るため、大量のデータを格納できることが特徴である。例えば、「Code 39」が保持できる文字数は39個だが、2次元コードは1つで最大3116個の数字または2335個の英数字を格納できる。

 2次元コードには、エラー訂正機能が組み込まれている。これは、一部の1次元コードで使われているチェックデジットと似たもので、読み取りミスを効果的に排除する。1個の2次元データマトリックスコードで、データは通常3回エンコードされる。これによりコードが正しく読み取られる確率を高められる。画像処理式のバーコードリーダーが1個の2次元バーコードで読み取りエラーを出す確率は、スキャン1050万回につき1回だという。レーザスキャナーでは、2次元コードを読み取れず、精度面でもこれほどの高精度は出せない。

 1次元コードにはコードの始点と終点を特定するためのクワイエットゾーンとガードパターンがあるが、2次元コードにはクワイエットゾーン、ファインダパターン、クロッキングパターンが存在する。ファインダパターンは2次元コードの外側にあるL字型のパターンだ。これは、デコードに際してコードの正しい向きを判断するために使用される。ファインダパターンの反対側にあるのがクロッキングパターンである。これは、黒いモジュールと白いモジュール(セル)が連続して交互に並んだもので、デコード用に1つのセルの大きさとコードのサイズ(行数と列数)を定義している。クワイエットゾーンは1次元バーコードのクワイエットゾーンと似ているが、2次元コードでは必ずコード全体を取り囲んでいる。

photo 図12:2次元コードの構造(クリックで拡大)出典:コグネックス

シンボル

 よく見られる2次元コードには航空、防衛、印刷媒体、米国郵便事業で使用されている「データマトリックス」、物流で使用されているドットベースの「MaxiCode」、自動車や宣伝目的で使用される「QRコード」、チケット販売所やレンタカー会社で使用されている「Aztecコード」などがある。

photophoto 航空、自動車、エレクトロニクス、米国郵政公社(USPS)などで使用される「データマトリック」(図13、左)と、物流で使用されている「MaxiCode」(図14、右)出典:コグネックス
photophoto 自動車部品や商業、マーケティングなどで使用されている「QRコード」(図15、左)と、旅行チケットや自動車登録証書などで使用されている「Aztec」(図16、右)出典:コグネックス
photophoto 米国運転免許証や物流で使用される「PDF417」(図17、左)と、スーパーで使用されている「GS1 DataBar Stacked」(図18、右) 出典:コグネックス
photo 図19:パッケージングや物流、盗難防止対策などで使用される「DotCode」 出典:コグネックス

≫連載「いまさら聞けない工業用バーコードリーダー入門」の目次

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.