3Dプリンタブームは去っていない! 「ファブ3Dコンテスト 2017」開催3Dプリンタニュース(1/3 ページ)

ファブ地球社会コンソーシアムは「ファブ3Dコンテスト2017」を開催。小学生から大人まで楽しめる5部門を設置し、3Dプリンタおよび3Dデータを活用した作品の投稿を全国から募る。優秀作品として選出されると賞金と副賞の3Dプリンタが贈られる。応募受付は2017年10月10日まで。応募予定者には、造形後でも形状を自由に変更できるユニチカの「感温性フィラメント」も無償提供する。

» 2017年08月29日 13時00分 公開
[小林由美MONOist]

 慶應義塾大学 SFC研究所が運営するファブ地球社会コンソーシアムは「ファブ3Dコンテスト2017」を開催する。2016年度の初開催から2年連続となる。作品応募期間は同年8月1日〜10月10日まで。今回も3Dプリンタおよび3Dデータを活用した作品の投稿を全国から募る。同コンテストは小学生から大人まで、個人も専門家も、幅広く楽しめるように企画されている。

 全てのカテゴリーを総合して全体で最も優れた作品を「最優秀賞」として選出し、賞金10万円が送られる。各カテゴリーでも優秀賞を1点ずつ選出し、それぞれに賞金5万円が贈られる。さらに、各カテゴリーで1点ずつ、審査員が「魅力ある作品」と評価した作品に「特別賞」が送られ、こちらの賞金は1万円。優秀賞には副賞として3Dプリンタが授与される。実際に授与される装置のメーカーや機種名は後日、公式サイトで公表する。

ファブ3Dコンテスト2017のWebサイト(クリックでWebサイトへ)

 作品制作で使用する3Dプリンタの機種やメーカー、方式、材料は基本的に問わない。作品の制作費用については、応募者の負担となる。同コンテストでは作品の用意だけではなく、作品を制作する過程のレポート提出も必要となる。応募用に新規で作品を作る必要はなく、他コンテストに応募したものや、過去のイベントなどで展示したものなど、過去に製作した作品も投稿可能だ。

「感温性フィラメント」の作品例(出典:ファブ地球社会コンソーシアム)

 今回、応募を検討中の人にユニチカの「感温性フィラメント」を無償提供する。ユニチカによる特殊ポリエステル素材と紡糸技術から誕生した素材で、3Dプリント後、人肌や風呂の湯温で軟化する素材。3Dプリンタで造形した後でも形状を自由に変更できるというもの。軟化後に変形させたら、冷やすことで形状を保持できる。さらに、熱湯などを用いて高温にさらして硬化させれば、熱変形しなくなる。

 前回は小中学生を対象とする自由研究の部門があったが、今回は対象を小学生と中高生に分けて2部門設置。さらに前回の「フリースタイルの部」が「エンターテインメント部門」にリニューアルし、テーマが「笑い」に絞られた。今回は以下の5部門の設置となった。各部門の応募ルールに関する詳細は公式サイトで確認できる。

 「夏休みの自由研究」では、小学生を対象に、3Dプリンタを活用した自由な研究とその探求プロセスをまとめた記録を募集する。日頃学んでいる科目から、自分のやりたいものを選定し、自由研究に必要な器具製作や、授業での困りごとを解決する器具などを製作してもらう。こちらは家族や学校、Fablabなどの大人がサポートすることも可能だ。

 同カテゴリーの審査委員長は慶應義塾大学名誉教授の小檜山賢二氏が務める。審査員にはタレントでエンジニアの池澤あやか氏、オリンパス 画像技術部の渡辺伸之氏。

 「暮らしの自由研究」は家族チームの協働で取り組む作品が対象で、暮らしや生活を改善するアイデアを募る部門だ。日常生活や育児、介護を支援するグッズや、知育玩具などを考案してもらう。いわゆる「大人の自由研究」部門だという。

 同カテゴリーの審査委員長はオリンパス 画像システム開発1部に所属しオープンプラットフォームカメラプロジェクトを推進する佐藤明伸氏、審査員は日本大学藝術学部デザイン学科 講師で明治大学 客員研究員であり、東京メイカーのマネジャーとして知られる中村翼氏、FabCafe Tokyoと岐阜県飛騨市のFabCafe Hidaを運営する岩岡孝太郎氏。

 今回新設の「FAB甲子園」は対象を中高生とし、「カッコイイ」または「カワイイ」楽器のアイデアを募る。同部門の作品では、3Dプリンタで製作した部品に対して、センサーや回路を埋め込んだり、CNCなど3Dプリンタ以外の加工機で製作した部品も組むことが可能だ。

 同カテゴリーの審査委員長は自身もドラマーである慶應義塾大学環境情報学部 専任講師の藤井進也氏。審査員はRhizomatiks Researchのメディア・アーティスト/プログラマーで慶応大学SFC特別招聘教授である真鍋大度氏、かつて電子楽器メーカーにも在職していた情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授、産業文化研究センターの小林茂氏。

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