組み込みソフトを最新に保つバイナリ差分アップデートツール、OTAにも対応組み込み開発ニュース

イーソルトリニティはシティリバースと、米Pocket Soft製バイナリ差分アップデートツール「RTPatch」の販売代理店契約を締結した。同社が強みを持つ車載システムなどの組み込みシステム市場向けに提供する。

» 2017年08月30日 08時00分 公開
[MONOist]

 イーソルトリニティは2017年8月9日、米Pocket Softの日本総代理店であるシティリバースと、Pocket Soft製バイナリ差分アップデートツール「RTPatch」の販売代理店契約を締結したと発表した。イーソルトリニティが強みを持つ車載システムなどの組み込みシステム市場向けにRTPatchを提供する。

 RTPatchは、ソフトウェアの変更後のファイルと変更前を比較し、バイナリレベルの変更部分のみを抽出した差分ファイルをパッチとして作成/配布できる。OSのアップデートやアンチウイルスメーカーの定義ファイルアップデートの他、米国航空宇宙局のスペースシャトルや、アメリカ海軍、沿岸警備隊のデジタル航海図のアップデートにも利用されている。日本国内ではカーナビゲーションシステムや、宅配便用のハンディターミナル、ネットワークプリンタなどの組み込みシステムに採用されている。

「RTPatch」の適用範囲 「RTPatch」の適用範囲(クリックで拡大) 出典:イーソルトリニティ

 オリジナルデータから最大99.9%ファイルサイズを削減した小容量のパッチファイルを作成し、オンライン配信でも低コストで高速なアップデートができる。無線ネットワークを使用したOTA(Over-The-Air)にも対応可能だ。アップデート時には、更新前データと更新後データの比較などを行って安全性を確保し、アップデート中の電源断にも対応。さらに、バイナリ差分のパッチだけでは情報として意味がないため、結果的に高いセキュリティが実現できる。

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