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» 2017年09月13日 13時00分 公開

CAD/PLMの10年史:多くの買収で揺れ動いたCAD周りの10年、今後はユーザー側が買収に乗り出すか (2/4)

[庄司孝,MONOist]

 2009年に発表されたダッソー・システムズによる米IBMのPLM事業部門の買収も、同業他社の買収に分類されるかもしれない。ダッソー・システムズとIBMは、1980年代より、強固なパートナーシップを結んできた。IBMは全世界の顧客に対してCATIAなど、ダッソー・システムズ製品の販売およびサポートを行ってきた。IBMの営業および顧客サポート部門を買収したことにより、ダッソー・システムズはCAD/PLM製品の製造と販売を一体化した活動を展開している(関連記事:ダッソー・システムズ、IBMの営業・サポート部門を統合)。

 シーメンスは、2012年にベルギーLMSを買収した。また、2016年には、米CDアダプコを買収している。シーメンスは、解析と設計との連携によるシナジー効果に注目しており、CAEソフトウェア、試験用ソフトウェア、あるいはコンサルティングの充実をはかっている。SDRC以来の伝統を引き継ぐNX-CAE、構造解析の代表的ソフトであるNX Nastran、バーチャルラボラトリーのLMS、熱流体解析のCDアダプコという製品ラインにより、極めて強力なCAEおよび試験用ソフトウェアのコラボレーションが実現している(関連記事:モノづくり改革は交差点で起こる――シーメンスPLM、旧LMSとの業務統合の状況明かす)。

 米オートデスクも、数多くの買収をしてきたベンダーである。CAEについては、2007年に米プラッソテック、2008年に米モールドフロー、2009年に米アルゴア、2011年に米ブルーリッジ・ニューメリックス、2013年に米ファイアホールなどといったベンダーを買収してきた。一連の買収により、オートデスクは構造解析、熱流体解析、樹脂流動解析などの製品を強化した(関連記事:Algorは改名して一新。Moldflowの解析もより素早く)。

「Moldflow 2012」の充填プレビュー(出典:オートデスク)

 オートデスクはCAMの強化も図っている。2012年にデンマークHSMWorks、2014年には英デルキャムを買収している。一連の製品は、3D CAD製品であるAutodesk InventorやダイレクトモデリングツールであるAutodesk Inventor Fusionとの連携機能が強化され、提供するソリューションの幅を拡大している(関連記事:オートデスク、クラウドベースCAMへの参入を発表)。

HSMWorksの技術を利用した「CAM 360」(出典:オートデスク)

 CAE最大手の米アンシスは、2008年に米Fluentを買収した。アンシスは、もともとは構造解析の大手ベンダーであったが、2003年に行われた英AEAテクノロジーのCFX部門の買収に続き、流体解析を充実させている。また、2008年には米Ansoftを買収。電磁界解析やアンテナ解析、回路解析などを製品ラインアップに加えている。アンシスは、こういったさまざまな解析ソリューションを組み合わせて、連成解析を行うことにより、設計段階で問題を検証し、製品の高品質化とリードタイムの短縮につなげることを提唱している。

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