トヨタと日立がIoT基盤活用の実証実験を開始、突発的な故障の未然防止など目指して製造業IoT

トヨタ自動車(トヨタ)と日立製作所(日立)は、日立のIoT(モノのインターネット)基盤「Lumada(ルマーダ)」を活用した高効率生産モデルの構築し、トヨタのモデル工場で実証実験を開始。工場設備における突発的な故障を未然防止する実証システムの構築を目指す。

» 2017年10月05日 06時00分 公開
[小林由美MONOist]

 トヨタ自動車(トヨタ)と日立製作所(日立)は2017年10月4日、日立のIoT(モノのインターネット)基盤「Lumada(ルマーダ)」を活用した高効率生産モデルの構築し、愛知県豊田市にあるトヨタのモデル工場で10月中に実証実験を開始すると発表した。

 Lumadaは、日立グループの経営や開発で培った経験や顧客における事例に基づき開発したIoTプラットフォームであり、データの統合、分析やシミュレーションから知見を得るソフトウェア技術などで構成される。制御技術(OT:Operational Technology)とデータの分析・活用技術(IT)の両面からカバー可能な技術を強みとする。

 今回の実証実験はトヨタにおける完成車両とエンジン組み立ての工場が対象となっており、モデル工場内の製造現場の設備や機器、それらに関連するシステムをLumadaに接続し、そこから収集されるビッグデータの分析を実施する。さまざまな製造工程においてIoTを活用して改善に取り組んだ事例を、さらに他の製造工程にも展開して共有できることで、現場におけるPDCAサイクルを速めることが可能になるとしている。

 今回は、工場設備における突発的な故障を未然防止する実証システムの構築を目指し、さらに他工程にも展開することで保全業務のさらなる効率化にも取り組む。また単一工程内だけでなく、複数工程にまたがるデータも分析対象とし、さらなる品質安定化を図る実証を行う予定だ。

 両社では実証実験を通して多様なデータやノウハウなどを得るとともに、IoT分野の人材育成にも取り組むということだ。

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