複雑化する組み込みソフトの頻繁な仕様変更に対応する「変更ベーステスト」とはVectorCAST

ミッションクリティカル分野の制御システムの組み込みソフトウェア品質には高い水準が求められる。Vector Softwareの「VectorCAST」はこの高い品質を実現するとともに、複雑化する制御システムの仕様変更にも柔軟に対応できる「変更ベーステスト」が可能なテスト自動化ソリューションだ。

» 2017年10月19日 10時00分 公開
[MONOist]
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 自動車や航空宇宙、医療機器、鉄道、産業機器といったミッションクリティカル/セーフティクリティカルな分野では、制御システムの組み込みソフトウェアの品質に高い水準が求められる。組み込みソフトウェアの品質を確保する上で重視されるのがテストだ。しかし、自動運転車に代表されるように、制御システムは日進月歩の勢いで複雑さを増しており、組み込みソフトウェアのテストに掛かる工数も大きく膨れ上がっている。

 組み込みソフトウェアのテストにはさまざまな方式がある。コーディングルールへの適合を検証する静的解析から、小さなソフトウェアモジュールの単位でテストを行う単体(ユニット)テスト、これらのモジュールを組み合わせて行う結合テスト、要求仕様通りにソフトウェアが動作するかを確認するシステムテストなどだ。

 これらのうち単体テストやシステムテストを効率的に実行する上で役立つのが、Vector Softwareの「VectorCAST」だ。組み込みソフトウェアのソースコードを解析し、膨大なテストパターンを生成して自動的に処理する、いわゆるテスト自動化ソリューションである。

「VectorCAST」の自動テスト生成機能の例 「VectorCAST」の自動テスト生成機能の例(クリックで拡大)

 Vector Software アジア太平洋地域担当 販売・技術ディレクターのスティーブ・バーリョー(Steve Barriault)氏は「今や組み込みソフトウェアでテストすべきことは山のようにあると言っても過言ではありません。さらに開発者にとって困ったことに、仕様変更も頻繁に起きます。仕様が変更されると、その山のようなテストをまた一からやり直さなければならないようでは開発は進みませんが、かといってミッションクリティカル/セーフティクリティカルな分野ではソフトウェア品質を下げるわけにはいかないのです」と課題を指摘する。

 VectorCASTは、高度なソース解析機能によってテストを自動化するだけでなく、変更したコードと関わるテストケースを自動で抽出する「変更ベーステスト(Change Based Test)」の機能も有している。本来、製品をより良くするために行われる仕様変更は、それに付随するテスト工数の増加などが問題であり、VectorCASTの変更ベーステストによって仕様変更に柔軟に対応できれば製品をより良いものに仕上げられるようになる。

「VectorCAST」は仕様変更に関連するテストケースを自動的に検出する「変更ベーステスト」が可能だ 「VectorCAST」は仕様変更に関連するテストケースを自動的に検出する「変更ベーステスト」が可能だ

 ターゲット、コンパイラ、ICも組み込み開発分野で用いられているものを中心に幅広くサポートしている。このため、VectorCASTのテスト自動化ソリューションはさまざまな分野で適用できるようになっている。

Vector Informatikとともに展開を縦横に拡大

 より良い製品を開発していく上でハードウェアとソフトウェアは両輪となる。通信機能の進化によって他の製品と連携したサービス提供も視野に入れていく時代となり、ソフトウェアの重要性はより高まっている。

 例えば、自動運転車やコネクテッドカーへと進化している自動車のソフトウェア規模は急激に増大している。バーリョー氏は「ソフトウェアは差異化を図っていく上でより大きな役割を果たすようになっています。連動するようにソフトウェアの規模も増大していますが、もちろん品質もきちんと確保されなければなりません。品質確保に必須のテストを効率化する上で、仕様変更に柔軟に対応できる変更ベーステストが可能なVectorCASTは大きく貢献できます」と強調する。

 Vector Softwareは2017年1月付けで、ドイツのVector Informatikの100%子会社となった。Vector Informatikは、自動車分野を中心に組み込みソフトウェアの機能テストやブラックボックステストに注力してきた企業だ。Vector Software 営業およびマーケティングオペレーション バイスプレジデントのマッツ・ラーソン(Mats Larsson)氏は「今後は、Vector Informatikの製品群と、VectorCASTが提供する単体テストやシステムテストの自動化ソリューションを組み合わせることにより、グループとしてソフトウェアテストを統合的にサポートできるようになります」と説明する。

 自動車業界が中核顧客であるVector Informatikにとって、さまざまな業界に採用されているVectorCASTの存在は、新たな顧客拡大のチャンスでもある。「例えば日本国内であれば、Vector Softwareは横浜に拠点を構えているが、これに加えて、Vector Informatikの日本法人であるベクター・ジャパンが展開する東名阪の拠点を活用して、両社の相乗効果を発揮していきたい」(ラーソン氏)という。

Vector Softwareのマッツ・ラーソン氏(左)とスティーブ・バーリョー氏(右) Vector Software 営業およびマーケティングオペレーション バイスプレジデントのマッツ・ラーソン氏(左)と同社アジア太平洋地域担当 販売・技術ディレクターのスティーブ・バーリョー氏(右)

 なお、Vector Softwareは、2017年11月15〜17日にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2017(ET 2017)」に出展し、組み込みソフトウェアのテスト自動化ソリューションであるVectorCASTの利点や採用事例などを発表する予定だ。この機会に、変更ベーステストのメリットを確かめてみてはいかがだろうか。

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提供:ベクター・ソフトウェア・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2017年11月18日

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