第45回東京モーターショー2017 特集
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» 2017年10月30日 07時00分 公開

東京モーターショー 2017:ターボのタービンハウジングを板金化、二重構造による空気断熱で熱容量を削減

カルソニックカンセイは「第45回東京モーターショー 2017」において、ターボチャージャーのタービンハウジングを板金化した新製品「CK-SMITH」を公開した。間もなく市販されるディーゼルエンジン車への採用が決まっており、既に量産に入っている。タービンハウジングの板金化は、ディーゼルエンジン車向けでは「世界初」となる。

[朴尚洙,MONOist]

 カルソニックカンセイは、「第45回東京モーターショー 2017」(東京ビッグサイト、プレスデー:10月25〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日)において、ターボチャージャーのタービンハウジングを板金化した新製品「CK-SMITH(Calsonic Kansei Sheet Metal innovative Turbine Housing)」を公開した。従来比で15%の軽量化に加え、排気ガスの触媒を適切な温度まで素早く昇温させられるようになったという。間もなく市販されるディーゼルエンジン車への採用が決まっており、既に量産に入っている。タービンハウジングの板金化は、ディーゼルエンジン車向けでは「世界初」(カルソニックカンセイ)となる。

ターボチャージャーのタービンハウジングを板金化した「CK-SMITH」 ターボチャージャーのタービンハウジングを板金化した「CK-SMITH」(クリックで拡大)

 これまでターボチャージャーのタービンハウジングは、一体成形の鋳造部品を用いるのが一般的だった。850℃という高温の排気を扱うことを考えると、耐熱性や耐久性、寿命を担保しやすいからだ。

 CK-SMITHでは、排気が通る箇所をステンレス鋼板を用いた内管と外管の二重構造に変更。二重構造による空気断熱の効果で、鋳造部品のタービンハウジングよりも熱容量が下がり、ターボチャージャーのタービンの先にある触媒を働かせる300〜600℃という温度に素早く昇温できるようになった。板金を使っているので軽量化も同時に果たせる。

 ただし、一体成形の鋳造部品とは異なり、内管と外管の二重構造や、鋳造部品である他の配管との継ぎ手や固定用の金具など、多数の部品を組み合わせて溶接しなければならない。「最適な寸法精度や溶接の技術、10年15万kmの寿命を確保できる耐久性などクリアすべき課題は多い。これまでも、板金タービンハウジングのコンセプトが提案されることはあったが、量産まで持っていく難易度はかなり高い。CK-SMITHではそれをやり遂げた」(カルソニックカンセイの説明員)という。

 CK-SMITHは、ディーゼルエンジン車向けで世界初の技術となっている。これまでに、ガソリンエンジン車向けでタービンハウジングを板金化した他社事例があったものの、既に量産されていない。このため、量産車では唯一の技術になるとみられる。

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