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» 2017年11月08日 13時00分 公開

車を愛すコンサルタントの学生フォーミュラレポ2017(2):勝つためのEV! ガソリン車だけの勝負じゃなくなってきたゾ! (1/3)

車とバイクが大好きなモノづくりコンサルタントから見た「全日本学生フォーミュラ大会」とは。2017年も楽しくレポートします! さて第2回はどの大学が登場するでしょうか。

[関伸一/関ものづくり研究所,MONOist]

 さて、前回に引き続きピットから学生さんたちの思いをレポートします。できるだけ多くのチームを取材したいのですが……、時間がなかったり、出走中でピットが空っぽだったりで、思うようにはいきません。今回は3チームの紹介をいたします。

No.31/E6 静岡理工科大学(SIST Formula Project)

 地元静岡のチームであり、以前非常勤講師も勤めさせていただいていたご縁で、ここ5年ほど私もスポンサーをさせていただいている静岡理工科大チームのリーダー 牧野俊さんにお話をお聞きしました。

静岡理工科大チームのリーダー 牧野俊さん(左)と筆者(右)

S 全体を通じて2017年(以下、今年)はどうでしたか?

牧野さん(以下M) EVは昨日エンデュランスを走ったのですが、6週を走ったところでモーターに過負荷がかかり止まってしまいました。

S 2015年(以下、一昨年)の夜中に藤田絵里さん(物質生命科学科1年の女子メンバー)からメールでEVはぎりぎりでオートクロスを走り、エンデュランスに出場できるとの報告を受けていたのですが、残念でしたね(他大学も同様だと思いますが、スポンサーなど関係者に活動状況などがメールで逐次報告されます。特に大会中は毎日のように報告が来ますが、疲れているだろうに……、タイムスタンプが夜中であることが多く、学生さんたちの頑張りが垣間見えます)

M ICV(ガソリン車)は今日の午前中に無事エンデュランスを完走しました。

S おめでとうございます。タイム的にはどうでした?

M ベストラップが1分06秒台だったので、悪くないと思います。ドライバーが頑張ってくれてオートクロスもいい走りをしてくれました(オートクロス最終成績は59.773秒の15位:学生フォーミュラ公式サイトより)。

S 今年は海外勢も含め、EVが多いですよね。そして海外勢が強い。

M そうなんです。そんな中で私たちは2016年(以下、昨年)、今年と停滞しているので、そこを打破しないといけないのです。今年の大会でいろいろな問題点や課題が見つかったので対策を進めます。自分は今4回生なので直接は関われませんが、後輩に伝えていきます。

S 一昨年までは常にトップだったものねぇ。また盛り返さなきゃね! ところで就職先はもう決まりましたか?

M はい、県内のモーターサイクル関連部品メーカーです。学生フォーミュラのリーダーをしていることも評価していただけました。この活動での経験は大きいと思います。

S そりゃ大きいですよ! 技術的な面はもちろんだけどマネジメントです。活動の進め方、メンバーへのタスクの割り振り、そのあたりをどうやっているかが一番難しいところなのだけど、一般企業でそれができていない人がたくさんいるので、頑張って!

M このサークルまとめるのも大変です。

S そうでしょう? 会社に行ったら幅広い年齢層がいるし、個性豊かな人たちがたくさんだから、サークルより絶対大変だよ。だからこそ、この活動での経験をぜひ役立ててほしいです。

静岡理工科大学チームと、日本滞在時にサポートした遼寧大学チームとの記念撮影風景

S 今年は遼寧大学をサポートしたの? 中国の大学ですよね?

M はい、部室や設備、工具などを貸したりするのですが、英語で話す機会はなかなかないので、とても勉強になります。

S 中国の方々もパワフルでしょう?

M はい、マシンもとてもきれいにできているので刺激を受けます。

S それ、とても大事なことです。中国、タイ、ベトナムとはこれからガチンコ対決ですよ。「日本を見習え」なんて時代ではないです。ABUロボコンではベトナムの大学が2連覇ですから。――お、今年のカウルはキレイだね!(かなり感動している!)、今までとは数段レベルが違うぞ!

M 今年は時間をかけて作りました。いつも塗装をしていただいている企業さんからメス型、オス型の作り方、脱型の仕方を一から教えていただきました。

藤田さん(写真左)

S (ここでいつもレポートを送ってくれる藤田さん発見)いつもレポートありがとうね。

藤田さん(以下F) いいえ、とんでもないです。

S カウル、本当にきれいですね。シンプルで美しい、しかもエッジがしっかり立っている。

S そうだね〜。速いマシンは美しい。これ、間違いなし!エアロデバイスも今まで使ってなかったよね?

F はい、今年はエアロにも相当力を入れました。

S いやぁ、今年の進歩はずごいなぁ! これはしっかり仕事で稼いで、寄付金増やさなきゃいけないね。今年ちょっと減額させてもらっちゃったから(笑)。

MとF よろしくお願いします!

美しいカウルとフルエアロを装備したSFP17ICV

 EVがエキシビション扱いだったころから積極的にEVに取り組んできた静岡理工科大学。今回のSFP17 EVは94チーム中総合75位(EV部門では10位)と奮いませんでした。ICVはエンデュランス、燃費、オートクロスが全て15位とバランスよくそろえ、総合25位と2018年(以下、来年)はゼッケンが少し軽くなります。

 ICVはさらなる進化で、EVは一度仕切り直しで来年のジャンプアップに期待します!

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