第45回東京モーターショー2017 特集
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» 2017年11月13日 06時00分 公開

東京モーターショー 2017:ジェイテクトが車載用リチウムイオンキャパシターを開発、85℃まで耐熱性向上

ジェイテクトは車載向けに高耐熱のリチウムイオンキャパシターを開発した。電極材料は外部から調達したが、混練や加工といった工程は、社内の専門部署で行った。リチウムイオンキャパシターの動作温度はこれまで60℃が限界だったが、材料の配合の工夫などにより85℃まで耐熱性を高めた。

[齊藤由希,MONOist]

 ジェイテクトは車載向けに高耐熱のリチウムイオンキャパシターを開発した。電極材料は外部から調達したが、混練や加工といった工程は、2017年9月に社内で立ち上げた専門部署で行った。リチウムイオンキャパシターの動作温度はこれまで60℃が限界だったが、材料の配合の工夫などにより85℃まで耐熱性を高めた。これにより、車内でのレイアウトの自由度が高まる。今後、信頼性評価を進めていく。

車載向けに耐熱性を向上したリチウムイオンキャパシター(クリックして拡大)

 開発したリチウムイオンキャパシターは、SUVやピックアップトラックのような大型車で、電動パワーステアリング(EPS)のアシストの出力を瞬間的に増やす用途で提案する。既にSUVをベースとした試作車両でアシストへの効果を確認している。

 軸力の向上により、SUVやピックアップトラックのような大型車でもEPSを採用することが可能になった。しかし、カーブが続く道路で何度もハンドルを切ったり、駐車時に据え切りを行ったりすると、EPSのアシストの出力が低下する場合がある。急に出力が低下すると運転操作を誤る可能性もあり、対策が必要になっていた。

 補機バッテリーの電源電圧を12Vから24Vに増やせば出力に余裕ができるものの、EPS以外の周辺部品も24Vに対応させる必要があり実現が難しい。これに対し、開発品は電圧6VをEPSに一時的に供給し、補機バッテリーと合わせて18Vまで出力を増やせるようにする。18Vであれば周辺部品にも影響がないとしている。展示品は1枚で電圧が3Vのキャパシターを2枚使い、6Vとした。補機バッテリーの電気を使い、数秒で充電が完了する。

耐熱性を向上したため、従来のような冷却を考慮した設計が不要に(クリックして拡大)

 耐熱性を向上したことにより、冷却用のファンの配置やキャパシター同士を離すなどの設計上の制約がなくなる。また、リチウムイオンキャパシターは電気二重層コンデンサーと比較して容量が大きいため、同じ容量でも小型化することができる。

 EPSの出力補助の他にも、アイドリングストップシステムや、故障など緊急時に数分間のみアシストを継続するバックアップ電源、車載用以外での電源としても広く提案していく。

バスやトラック向けの運転支援対応ステアリングシステム(クリックして拡大)

 SUVやピックアップトラックよりも大きな軸力が必要な商用車は、EPSではなく油圧パワーステアリングが引き続き採用される見通しだ。しかし、商用車でもステアリング制御による運転支援機能が求められている。これに向けては、従来の油圧パワーステアリングシステムに乗用車のコラムEPSのようなモーターを追加する形で対応していく。

 開発品は「第45回東京モーターショー 2017」(プレスデー:2017年10月25〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日)で展示した。

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