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» 2017年11月24日 18時00分 公開

安全システム:ハイエースが50周年、採用したトヨタセーフティーセンスは「C」ではなく「P」

トヨタ自動車は、「ハイエース(バン・ワゴン・コミューター)」「レジアスエース(バン)」に一部改良を実施して2017年12月1日に発売する。

[齊藤由希,MONOist]

 トヨタ自動車は2017年11月22日、「ハイエース(バン・ワゴン・コミューター)」「レジアスエース(バン)」に一部改良を実施して同年12月1日に発売すると発表した。

 ディーゼルエンジン車は、排気量2.8l(リットル)の直噴ターボディーゼルエンジン「1GD-FTV」と6速ATの組み合わせにより、JC08モード燃費を従来モデルから1.0〜1.6km/l改善した。「平成27年度燃費基準+15%」を達成するとともに「平成21年基準排出ガス10%低減レベル」の認定を取得し、「エコカー減税」の免税措置対象とした。

一部改良を受けたハイエース(左、中央)。エンジンは2015年に発表したクリーンディーゼル(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
Toyota Safety Sense Pの動作イメージ(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 安全機能も充実させた。車両の安定性を確保するVSC(横滑り防止装置)やTRC(トラクションコントロール)、急な坂道での発進時に車両のずり落ちを一定時間抑えるヒルスタートアシストコントロールの他、盗難防止に貢献するオートアラームを全車標準装備とした。衝突回避支援パッケージは、歩行者検知機能つきの「Toyota Safety Sense P」を標準装備とした。

 ハイエースは、1967年に「日本初の新分野のキャブオーバーバン」である「トヨエース」の小型モデルとして誕生、2017年で50周年を迎えた。初代モデルは乗用車的センスを備えた「新時代の商用車」として開発された。2代目以降は「商用車でありながら後ろに乗りたくなるクルマを」という考えの下、ファミリーカーとしての側面も広げてきた。

 50周年を迎えるにあたって、販売店ではハイエースでアウトドアを楽しむライフスタイルを提案していく。

初代2代目3代目 歴代のハイエース ワゴン。初代(左)2代目(中央)3代目(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車
4代目キャンプ 4代目ハイエース ワゴン(左)。50周年を機にアウトドアでのハイエースの活用を提案する(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

歩行者検知できない「C」の行く末は

 これまで、Toyota Safety Senseは小型車向けを「C」、中大型車を「P」として車両タイプに合わせて使い分けてきた。Toyota Safety Sense Pは「カムリ」「クラウン」をはじめとするセダン系や「ハリアー」「ランドクルーザー」などSUV系に搭載されている。「アクア」「ヴィッツ」などコンパクトカーはToyota Safety Sense Cだ。

 「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」「エスティマ」などミニバンのラインアップは歩行者検知に対応していないToyota Safety Sense Cが採用されてきたが、これらのミニバンよりもボディーサイズや車両重量が小さい「プリウス」「プリウスPHV」にはToyota Safety Sense Pを搭載している。

Toyota Safety Senseのセンサーの構成(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 トヨタ自動車はToyota Safety Senseの発表当時(2015年)、センサーを搭載する位置とスペースの関係から2つの衝突回避支援パッケージを設定したと説明している(※1)。Toyota Safety Sense Pで使うミリ波レーダーは車両のエンブレムの裏側に設置するため、スペースの都合上コンパクトカーでは搭載が難しかったという。こうした理由から、Toyota Safety Sense Cはレーザーレーダーと単眼カメラが一体のセンサーユニットをフロントガラス上部の室内側に設置した。

(※1)関連記事:トヨタが満を持して投入した「Toyota Safety Sense」は“普及”こそが使命

 一方、軽自動車にも安全装備に対する需要が高まっていることから、スズキやダイハツ工業はフロントガラス上部に設置できるセンサーユニットで自動ブレーキの歩行者対応を進めてきた。

 スズキは2015年5月発売の「スペーシア」からステレオカメラをセンサーとする運転支援システムを搭載し、歩行者対応の自動ブレーキを実現した。2017年1月発売の登録車「スイフト」からは、ハイビームアシスト機能の実現のためToyota Safety Sense Cと同じ構成のコンチネンタル製のハードウェアを採用。「ワゴンR」にも展開している。ダイハツ工業は2016年11月発売の「タント」以降、デンソー製の小型ステレオカメラの採用車種を広げている。

スズキの運転支援システムのセンサーはToyota Safety Sense Cと同じハードウェア(左)。ダイハツ工業はステレオカメラの採用を拡大中(右)(クリックして拡大)
ホンダは軽自動車にも「ホンダセンシング」を標準装備(クリックして拡大)

 ホンダは軽自動車にもミリ波レーダーを採用しており、2017年8月発売の「N-BOX」にミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた運転支援システム「ホンダセンシング」を全タイプに標準装備とした。

 日欧の自動車アセスメント(NCAP)は2016年から、歩行者対応の自動ブレーキを評価対象としている。欧州のEuro NCAPでは2018年から夜間の歩行者検知も評価項目に加わる。ミリ波レーダーを使わない軽自動車の歩行者対応自動ブレーキや、軽自動車にもミリ波レーダーを搭載できた例を見ると、Toyota Safety Sense Cは訴求力に欠ける部分もあるといえる。

 トヨタ自動車は2017年末までに日本、北米、欧州のほぼ全ての乗用車にToyota Safety Senseを搭載する方針。その後にどのような方策をとるか注目だ。

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