「日本が誇るモノづくり力」は張り子の虎だったのか製造マネジメント メルマガ 編集後記

中身がないという意味では“張り子の虎”ですが、信じていた基礎が空疎だったという意味では“砂上の楼閣”でもあります。

» 2017年11月28日 12時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 この記事は、2017年11月28日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。


「日本が誇るモノづくり力」は張り子の虎だったのか

 「日本が誇るモノづくり力」。製造業関連で取材をしていると何度も出てくる言葉です。高い品質とコスト競争力、納期厳守の開発スピードなどなど……。そのモノづくり力は、さらにさまざまな言葉で彩られています。

 しかし「日本が誇るモノづくり力」は本当に誇れるものだったのか、という疑念を抱かせる事態が連続して起きています。2016年は三菱自動車とスズキの燃費計測の不正、2017年は日産自動車とスバル、神戸製鋼が製品検査の不正を行っていたことが発覚しました。さらに、2017年11月23日、三菱マテリアルも検査不正を公表しています。

 いずれも長年「現場」で行われてきた慣習が表面化したものとしており、経営陣は今後改善する方針を示しています。しかし「日本が誇るモノづくり力」の源泉は常に「現場」にあるといわれてきました。その「現場」を舞台に、不正が常態化してきたわけですから、「日本が誇るモノづくり力」は実際には“張り子の虎”だったのかもしれません。

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