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» 2017年11月30日 15時00分 公開

医療技術ニュース:べん毛モーターがバイオセンサーとして働く仕組みを解明

大阪大学は、細菌べん毛モーターのエネルギー変換装置である固定子複合体が、ナトリウムイオンを感知して活性化し、モーターに組み込まれる仕組みを解明した。この研究成果により、バイオセンサープローブやナノデバイスへの応用が期待できる。

[MONOist]

 大阪大学は2017年11月2日、細菌べん毛モーターのエネルギー変換装置である固定子複合体が、ナトリウムイオンを感知して活性化し、モーターに組み込まれる仕組みを解明したと発表した。同大学大学院生命機能研究科 特任教授の難波啓一氏らが、金沢大学、名古屋大学と共同で行ったもので、成果は同日、米科学誌「Science Advances」に公開された。

 これまで、べん毛モーターが回転運動マシナリーとして働くこと、またその回転する仕組みについては詳しく解析されていたが、バイオセンサーとして働く仕組みについては不明だった。近年、べん毛モーターの固定子複合体が外環境変化を感知し、固定子の数を制御することが確認されたものの、固定子複合体はその取り扱いが大変困難であるため、詳細な仕組みは明らかになっていなかった。

 べん毛モーターのバイオセンサーとしての仕組みを発見した同成果により、生体内のナトリウムイオン濃度を正確に測定できるバイオセンサープローブやナノデバイスへの応用が期待できる。

 研究グループは、固定子複合体を単離精製することに成功。高速原子間力顕微鏡を用いて、固定子複合体1分子の動きをリアルタイムで可視化することにも成功した。これにより、べん毛モーターを回転させるために必要なエネルギー源であるナトリウムイオンが結合すると、固定子の一部が規則正しく折りたたまれ、その結果モーターに組み込まれることを解明した。

photo べん毛モーターの模式図と固定子複合体の高速原子間力顕微鏡像(クリックで拡大) 出典:大阪大学
photo 固定子複合体が組み込まれる過程(クリックで拡大) 出典:大阪大学

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