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ルネサスとGHSが「ダッジラム1500」ベースのコネクテッドカーを開発、CESで披露車載情報機器

ルネサス エレクトロニクスと米国の組み込みソフトウェアベンダーGreen Hills Software(GHS)は、Fiat Chrysler Automobileのピックアップトラック「ダッジラム1500トラック」をベースとする新型のコネクテッドデモカーを開発した。「CES 2018」で披露する予定だ。

» 2017年12月25日 06時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 ルネサス エレクトロニクスと米国の組み込みソフトウェアベンダーGreen Hills Software(GHS)は2017年12月22日、Fiat Chrysler Automobileのピックアップトラック「ダッジラム1500トラック」をベースとする新型のコネクテッドデモカーを開発したと発表した。

 同デモカーのコネクテッドカー用コックピットシステムは、ルネサスの車載SoC(System on Chip)「R-Car H3」とGHSのリアルタイムOS「INTEGRITY」とINTEGRITYの仮想化機能「INTEGRITY Multivisor」を用いている。ソフトウェア無線、マルチメディア、ナビゲーション、ドライバーの顔認識、個人の好みに合わせたアプリケーションのパーソナライゼーション、マルチOSに対応したシームレスなディスプレイ共有、HVACなどの車両機能などを単一の車両システムに統合した。

 さらに、INTEGRITYとINTEGRITY Multivisorの仮想化エクステンションにより、自動車の機能安全規格であるISO 26262に対応する安全要求の高いアプリケーションコードと、汎用コードやゲストOSを、ルネサスのR-Car H3上で安全に共存させることができるソフトウェアベースの車載コックピットを実現できている。

 INTEGRITY MultivisorのゲストOSの機能となるのが、Androidベースのセンターコンソールディスプレイだ。タッチスクリーン制御によるマルチメディア機能、空調制御、カーナビゲーション、クラウド接続された車両メンテナンスモニタリング、ドライバー生体認証機能を提供する。

 ISO 26262への対応を見据えた多機能インスツルメントクラスタの動作は、INTEGRITYとゲストOS両方のOpenGL ESグラフィックスコンテンツを同時に処理できる3次元GPUアクセラレターがサポートしている。

 そして、AndroidアプリケーションとISO 26262対応クラスタ両方の表示画像を安全かつセキュアに共有できる。

 なお、このデモカーは、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2018」(2018年1月9〜1月12日、米国ネバダ州ラスベガス)のGHSブースに出展される予定だ。

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