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» 2018年01月09日 06時00分 公開

乗って解説:エンジンやボディー、シャシーはどう進化する? マツダSKYACTIV第2世代 (2/4)

[高根英幸,MONOist]

無駄があるように見える? 吸気系のレイアウト

 それにしてもユニークなのは、圧縮着火であるHCCIをスパークプラグによって制御するという、いうなれば逆転の発想だ。どのようにしてこのSPCCIという方式を思い付いたのだろう?

 「以前から点火をHCCIに応用する考えはあったんです。いろいろな方法を試していく中で、どうせSI用に付いている点火系を利用しない手はないな、と。何万通りの組み合せ方、使い方からNGをつぶしていく形で見つけました」(マツダ パワートレイン開発本部主査 田中伸彦氏)。

 膨大な時間を費やし、多くのエンジニアが知恵を絞り合ったであろうことは、当たり前のように想像できた。ロータリーエンジンを実用化し、また、スカイアクティブ-Gを開発した時と同じように、スカイアクティブ-Xについても開発陣の懸命な作業が繰り返されたのだ。

 SPCCIの原理は分かったが、どうしてプラグをスパークさせながらもSIではないと分かるのだろうか。「それは燃焼室内に発生する圧力が、通常の燃焼圧力と波形が異なるから分かるんです。そのために筒内圧力センサーを各燃焼室に備えています。これにより燃焼をモニタリングしてフィードバック制御も行っています」(田中氏)。なるほど燃焼室内の圧力グラフを見ると点火による燃焼圧力とは別に急激に高い圧力が起きているのが分かる。

 じっくりと試作のスカイアクティブ-Xを眺めてみると、吸気系のレイアウトに無駄があるようにも見える。現在公開されている仕様ではスロットルバルブから吸い込まれた空気(とEGR)は、高応答エアサプライと呼ばれる機械式過給機を経て下方のインタークーラーへと向かい、そこからUターンするように吸気ポートへと向かう。

 これではやや長過ぎるのではないか。インタークーラーの構造を変えることで通路の短縮は望めそうに思える。そうなれば理論通りの高レスポンスで強力な加速感と省燃費を両立することができそうだ。「ご指摘の部分は、インタークーラーに既存の部品を利用していることも理由の1つで、今後量産化される際には専用品を開発することにより最適化できると思います」(田中氏)。

スカイアクティブ-Xの部品構成(クリックして拡大) 出典:マツダ

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