特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2018年01月11日 11時00分 公開

MONOist 2018年展望:スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」 (1/3)

2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。

[三島一孝,MONOist]

 ドイツのインダストリー4.0などへの関心から注目を集めたスマートファクトリー化の動きは、2017年はさらに広がりを見せ、現実的にビジネスとして活用する動きが本格化した。2018年はさらに多くの成功事例が登場することが予測され、これらの実運用の拡大により、現実的課題解決に基づいた製品やソリューションが数多く登場する見込みだ。

photo ジェイテクト亀山工場のラインアンドン。設備から吸い上げた情報がひと目で見え、稼働状況がすぐに分かる

国際的に共通のビジネス基盤作りが進む

 2017年の展望記事では「スマートファクトリーへの動きは2017年からは個々の企業が取り組みを実際の事業に落とし込む3つ目のフェーズに入る」ということを紹介したが、実際に数多くの成果と現実的な課題解決の動きが目立った1年となった。

 全体的な国際協調が進んできた政府および団体主導の動きについては、2017年3月に日本が独自の第4次産業革命に向けたコンセプト「Connected Industries」を発表したことで、ほぼ全体的な枠組みが見えた状況となってきた。

 「Connected Industries」は、ドイツの「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」、フランスでの「Industrie du Futur(産業の未来)」、中国の「中国製造2025」などの日本版ともいうべきもので、IoTなどのさまざまなデジタル技術により新たな「つながり」が生まれる中で、日本が本来持つ強みである「技術力」や高度な「現場力」を生かした形で、新たな産業社会の構築を目指すものだ。ドイツのIT国際見本市「CeBIT 2017」において発表された※)

※)関連記事:日本が描く産業の未来像「Connected Industries」、世界に発信へ

 中身については詰めなければならない項目は数多く存在しているが、この中では日本の産業の強さは「人間中心」で「現場力」にあるということが示されており、これらを独自の強みとしつつ、国家間、産業間で協調を進めていくということが示されている。2017年10月には「Connected Industries 東京イニシアティブ 2017」が発表され、「自動走行・モビリティサービス」「モノづくり・ロボティクス」「プラント・インフラ保安」「バイオ・素材」「スマートライフ」の5つの重点分野が定められ、日本独自の強みを生かしつつ産業の再編成が進む中でどのような勝ち筋を見つけるのかという取り組みが進む※)

※)関連記事:日本版第4次産業革命が進化、製造含む5つの重点分野と3つの横断的政策

photo 「Connected Industries 東京イニシアティブ 2017」において発表された5つの重点取り組み分野 出典:経済産業省

 IoTやAIなどを基軸にし、データを中心とした第4次産業革命ともいわれる動きについては既存の多くの産業の構造を変えると見られており、各国政府は自国産業の持続性に対し危機を感じ、対応する国家施策を次々に打ち出している状況だ。チェコやロシアなど国家プロジェクトは現在も継続的に増えている状況で、今後も新たなプロジェクトを発表する国家や団体は増えるだろう。ただ、現実的には国家間が主導権争いをするということは現実的ではなく、それぞれが強みとしている産業などを強化しつつ、協調領域での協力を進め、新たな土台作りを急ぐという方向性が明確化している。既に「ハノーバー宣言」など、日本とドイツの国際連携などは進んでいるが、2018年はまずはこの共通の土台をカタチにするという動きが加速することだろう。

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